三菱UFJ銀行 サステナブルビジネス室長 柳田 陽子氏

柳田 陽子氏
三菱UFJ銀行 ソリューションプロダクツ部 サステナブルビジネス室長(写真:中島 正之)

 融資の分野でもSDGsやESGを重視する動きが進んでいます。環境関連の取り組みに融資する「グリーンローン」が中心です。グリーンローンをはじめとするESG関連ローンの世界の提供額は17年に約60億ドル(約7000億円)でしたが、19年は160億ドル(約2兆円)になり、急速に拡大しています。

 18年3月に英ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)などが、国際ガイドライン「グリーンローン原則」を定めました。グリーンボンド原則を踏襲しており、外部の評価機関が認証する点もグリーンボンドと同様です。ソーシャル分野の融資は、ソーシャルボンド原則が活用されています。

ESGを5段階で評価

 グリーンローン原則の発表以降、国内でグリーンローンによる資金調達が増加しています。

 三菱UFJ銀行では、19年3月から「ESG経営支援ローン」を提供しています。通常のローン審査に加え、企業のESGの取り組みを評価した上で融資を実行します。企業の環境、社会、ガバナンスのそれぞれの分野に対して、取り組み内容、目標の有無、情報公開など、約100項目を審査して、最終的に5段階で評価します。

 特徴は、評価結果だけでなく、評価の過程を企業にフィードバックするところです。企業は、融資を受けるだけでなく、ESG課題の把握や確認が可能です。

 この商品のESG評価をグリーンローンに活用した事例を紹介しましょう。

 19年3月に、日本郵船にグリーンローンとして90億円の融資を実行しました。同社は、ESG評価で最高のSランクを取得しました。船舶のエンジンが出す排ガスから硫黄酸化物(SOx)を取り除く「スクラバー」の設置費用に充てられました。

 また同月、名古屋鉄道に50億円を融資しました。こちらは、上から2番目のAランクです。グリーンビルディングの投資資金に充てられました。