社長を外の風に当てよ

冨田 秀実 氏
ロイドレジスタージャパン取締役

 アップルをはじめ米国の企業がサステナビリティに真剣に取り組むようになっている。この動きは、サステナビリティが重要な経営課題になったことを象徴している。
 米国企業は株主重視を基本としており、株主が納得しないことはやらない、つまり儲かって株価が上がるようなことしかやらないというスタンスを取っている。サステナビリティの取り組みにこれほど熱心になるということは、株価を上げるために、企業が存続するために重要だと認識しているからに他ならない。
 日本企業の中には、経営者がサステナビリティに関心を持ってもらえず、取り組みが進まないと悩んでいるところもあるだろう。社長の意識を変える良い方法は外の風に当てることだ。例えば、CDPで頑張って高いスコアを取って、社長に表彰式に出てもらう。そういう場で一言話すとなれば、社長も意識せざるを得ないはずだ。社内のリポーティングラインに頼って説明するだけではうまくいかないだろう。 (談)

ハイブリッド型組織に変革を

足達 英一郎 氏
日本総合研究所 創発戦略センター/ESGリサーチセンター 理事

 SDGsがブームになっているが、SDGsが求めているトランスフォーメーション(ビジネスモデルや事業ポートフォリオの変革)は、残念ながら日本企業が得意としていない領域だ。ではSDGsを経営に統合するにはどうすればいいのか。
 有効な方法の1つは、過去にブームになった途上国の低所得者層向けのBOP(ベース・オブ・ピラミッド)ビジネスを振り返ることだ。BOPビジネスはあまり成功したとはいえないが、なぜあのときはうまくいかなかったのか、原因を考えることでヒントが見つかるのではないか。
 SDGsやESGの活動を推進するためには、環境・CSR部をハイブリッド型の組織に変える必要がある。環境法の順守やISO14001活動の推進を真面目にやってきた人たちだけで対応するのは難しい。営業などに「ここを正してください」などと言うパワーを発揮しきれなかった。これからの環境・CSR部は、社内を巻き込んでいくプロパガンダ役になれる人も求められるだろう。 (談)