東京五輪が起爆剤に

 欧米の大企業から始まった持続可能な調達の取り組みは、日本でも本格的に広がろうとしている。足元では、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックが大きな影響を与えそうだ。

 オリンピックやサッカーのワールドカップのようなメガ・スポーツ・イベントでは、スタジアムなどの建設、スポーツやアパレル製品のサプライチェーンに注目が集まる。

 オリンピックでは、2012年のロンドン大会で、「持続可能な調達コード」が導入された。建物から大会で提供される食品に至るまで、調達コードで定める基準に合致した物品やサービスを調達する仕組みである。

 東京大会でも同様の施策が着々と準備され、既に「持続可能性に配慮した調達コード(第1版)」が発行された。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が調達する物やサービス、さらに東京大会のライセンス商品に適用される持続可能性に関する基準となっている。

■ 東京オリンピック・パラリンピックでは、建物から食品まで持続可能性に配慮した物やサービスを調達する
出所:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会「持続可能性に配慮した調達コード(第1版)」を基に作成
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 すべての品目に適用される共通事項と特定の品目にのみ追加で適用される個別基準がある。共通事項は、法令順守などを含む全般、環境、人権、労働、倫理側面を含む経済のカテゴリーで構成される。これに対して個別基準は、特に資源の持続可能性が懸念される木材、農産物、畜産物、水産物に対してそれぞれ用意されている。現在、これらに加えてパーム油と紙の基準を導入すべく議論が進んでいる。

 この調達コードの影響を受けるのは、東京大会で製品やサービスを納入する企業やスポンサー企業だけではない。東京都をはじめとする地方自治体の公共調達にも影響を与える可能性が高い。日本で持続可能な調達が普及する起爆剤となりそうだ。