ESG指数を選定し投資を開始

 GPIFは投資決定プロセスにESGを考慮することを求める「責任投資原則(PRI)」に署名しています。国連は2015年に「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択。企業に対して持続可能な社会構築への取り組みを促しています。GPIFのESG投資と、投資先企業のSDGsへの取り組みは、表裏の関係にあるといえます。

 GPIFが「JPX日経インデックス400」の採用企業に対して行ったアンケート調査では、半分の企業が「SDGsへの取り組みを始めている」、または「SDGsへの取り組みを検討中」と回答しました。この動きは今後、一層広がるでしょう。SDGsへの取り組み、それを通じたESGへの取り組みは企業経営そのものになってきたと思います。

 ESG投資が拡大すれば、企業のESG対応が強化され、長期的な企業価値向上につながります。また、日本企業のESG活動が進めば、ESG評価を重視する海外資金が流入し、日本株のパフォーマンス向上が期待できます。

 GPIFは2017年に日本株のESG指数を選定し投資を始めています。具体的にはESG全体を対象とする総合型の「FTSE Blossom Japan Index」と「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」、個別テーマとしてジェンダーダイバーシティに焦点を当てた「MSCI日本株女性活躍指数」の3つを選定しています。現在、環境株指数も選定中です。

■ GPIFが採用した指数

 GPIFは債券投資についてもESGを考慮しようと、世界銀行との共同研究を開始しました。償還時期が来れば発行体と投資家との関係が切れる債券で、どのようにESGを考慮した投資ができるのか、とてもチャレンジングな試みだと思っています。

 このように、GPIFは不退転の決意でESG投資に取り組もうとしています。より良い社会をつくるために、どうお金を回していくかは、我々年金投資家に課せられた重大な責任。地道に取り組んでいきたいと思います。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長 高橋 則広 氏
写真/鈴木愛子