サプライヤーにも再エネ100%

 2つ目の例は米アップルだ。2018年4月、世界43カ国にある同社の全施設を100%再エネで賄うことに成功したと発表した。加えて、アップル向け部品を生産するサプライヤーにも再エネ100%の生産を求め、既に23社が約束したと公表した。

 アップルが再エネ100%を実現するのに、最後に未達として残ったのが日本だった。実現に向けてアップルジャパンはグリーン電力証書などのクレジットの購入という数字合わせはしたくなかった。直接発電するために、新電力事業者の第二電力とパートナーシップ協定を結び、300カ所のビルや倉庫の屋上に太陽光発電を設置することにした。1万8000MWhを発電し、日本でも100%を達成した。

 サプライヤーにも再エネを求める以上、自ら苦労して日本のサプライヤーに再エネへの切り替えを実例として示したかったという。クレジットの購入によってコストアップになると誰も付いてこない上、価格に転嫁されかねないからだ。

 アップルの1次サプライヤーは日本に865社。このうちエネルギー使用量の多い企業から、1社ずつ丁寧に話し合い、再エネへの切り替えの計画や目標を詰めている。自社内に再エネ設備を造れるか、残りの電力契約をどうするかなどを検討する。

■ アップルは再エネ100%をサプライヤーにも要求
米アップルは自社施設を再エネ100%で賄い、同社向け部品を生産するサプライヤーにも再エネ100%を求める。約束した23社にはイビデンと太陽インキ製造も含まれる。サプライヤーとは話し合いを重ねた
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 2年前からはサプライヤーのためのポータルサイトを開設し、再エネの調達方法やクレジットの調達方法を紹介し、経済性評価のためのソフトも無料で公開している。

 米アップルには数十人から成るサプライヤー・レスポンスビリティ・チームがあり、サプライヤーの労働、人権、安全、環境などを確認している。問題があれば契約を解除する体制をとっている。アップル・ブランドを守るためサプライヤーには厳しい要求を突き付けるが、応えてくれるサプライヤーとはとことん付き合う。そうすることで強固なサプライチェーンを築いている。