2030年に向け環境目標更新

――社内にESG/SDGsを普及するため、どのような施策を行っていますか。

横山 一つは若手役員が集まり、2年にわたり議論を重ね、先ほど申し上げた3つの社会価値を決定しました。ですから次世代の経営を担う層には、ESGやSDGsの考え方がすでに浸透していると思います。ミレニアル世代などの若手社員にとっても、「社会のために」との考え方はむしろすんなり入ってくるでしょう。

 一方で部長レベルや、実際にシステムを担当する現場からすると、まだ遠い話に思う部分はあるかもしれません。今期は部長以上の役職員向けに有識者講演会を開催したり、社長からコミットメントを表明したりする形で浸透を図っていきたいと考えています。3つの社会価値を対外的にも具体化するため、将来的には定量目標を策定し、PDCAを回すことで社員の意識をさらに高めることも計画していきます。

――非財務情報に関する国際ルールを企業経営にどう生かしていますか。

横山 当社はCO2の7割を排出するデータセンターを運営しているので、環境に絡むルールや制度は以前から積極的に取り込んでいます。従来の2022年度末の環境目標を6年前倒しで達成しました。2018年、パリ協定のいわゆる「2度目標」に準拠し、2030年度に温室効果ガスの排出を2013年度比55%削減するという新たな環境目標に変更、SBT認証も取得しました。その流れで、TCFDの取り組みやRE100への加盟にもつながってきました。

 SBT認証を受けた内容は、当社からすると地に足の着いた取り組みですから、今後はパートナー企業にもSBTに合った目標の策定を働きかけていきたいと考えています。

――国内外への情報発信にはどのように取り組んでいますか。

横山 開示ポリシーを国際基準に合わせ、報告書もGRIスタンダードに則っています。その成果として、米ダウ・ジョーンズなど様々なインデックスから評価をいただいています。海外企業のサステナビリティ責任者やCDPなどイニシアチブ機関の方とも積極的に対話をしています。

 情報開示の対象は機関投資家だけでなく、多様なステークホルダーが含まれます。サステナブル社会を目指す中では人材育成というテーマもあります。社員はもちろん、学生向けにも、当社の事業が将来にわたって社会価値を創造するものであり、それに伴い企業価値も向上することを、さらに工夫してアピールしたいと考えています。