聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

2019年1月、アルプス電気とアルパインの経営統合によって誕生したアルプスアルパイン。モビリティの大変革期を迎え、統合のシナジーによる新たな価値を創造する。

――アルプス電気とアルパインの経営統合の狙いから教えてください。

栗山 年弘(くりやま・としひろ)
アルプスアルパイン 代表取締役 社長執行役員
1957年生まれ。1980年京都大学理学部物理学科卒業、アルプス電気に入社。2004年磁気デバイス事業部長、2007年事業開発本部長を担当。2011年常務取締役を経て、2012年技術本部長に。同年6月に代表取締役社長に就任。2019年1月の統合により現職(写真:木村 輝)

栗山 年弘 氏(以下、敬称略) アルプス電気は売り上げの6割、アルパインは10割を自動車市場が占めています。いま、自動車産業は100年に1度といわれる大変革が訪れており、モビリティ産業へと移行します。両社が運命共同体として力を合わせて臨むことで、強みをより発揮できるようにするというのが狙いです。

――具体的にどのような点を強みに目標を立てていますか。

栗山 センサーなどをはじめとするハードウェアを軸としたアルプスの「縦のI型」と、カーオーディオやカーナビのソフトウェアを柱とするアルパインの「横のI型」を融合した「T型」企業として進化し、持続的な価値を創造していくことを事業目標に掲げています。

 自動車を例にとると、人と車とのインターフェースの部分で、アルプスは入力側、アルパインは出力側にコア技術を有しています。今後、AIや自動運転の発展により数年で5兆円の市場が生まれます。人と車のインターフェースの部分で統合によるシナジーを発揮できます。

 また自動車以外の分野でも、インターフェース、センサー、コネクティビティの3つを注力すべきコア事業と規定しています。センサーもコネクティビティも、IoTをはじめとする今後の技術で必須のもの。自動車はもちろん家電など多様な機器と人間とのインターフェース、さらにはクラウドとリアル世界のインターフェースを統合の強みで実現していきます。