「未来ノート」で効率アップ

――人材育成の具体的な取り組みをご紹介ください。

当社の人事評価は実力主義が基本で、若手社員や中途採用者も実力次第で役員に抜擢します。

 そうした実力を身につける独自のプログラムとして「エリアリンクマスター制度」があります。これは私自身が実践してきたスケジュール管理術を体系化したもので、毎日の行動予定を記入し業務管理を行う「豆ノート」、課題と進捗をチェックする「懸案事項処理表」、商談を形として残す「打ち合わせ記録報告書」、1年間のスケジュールを管理する「未来ノート」といったツールを使い、仕事効率を大幅に上げるとともに、全従業員が業務の習熟度を高めてステップアップできる仕組みです。このプログラムは社外からもニーズがあり、人材教育パッケージとしての提供も行っています。

 業務改善や新企画の提案を実現した従業員に対し、役員が効果を判断して報酬の代わりとなるチップを提供する「チップ制」も用意しており、モチベーション向上につなげています。そのほか、私自身の仕事に対する考え方をまとめた教本を配布し、人材育成に役立てています。

――働き方や職場環境の面でも代表的な取り組みを教えてください。

フリーアドレスで自由に利用できるオフィス内のラウンジ
(写真提供:エリアリンク)

ICTを活用したリモートワークを導入し、在宅でも仕事ができる環境を整備していることに加え、オフィスもパソコン1台あればどこでも仕事ができるようにしています。リフレッシュしながら柔軟な発想をサポートするカフェスペースもオフィスに設置するなど、頭脳労働に集中して取り組める設計を実践しています。

 また会社の受付でもきれいな自然の風景の映像を流すなどで細部までこだわっています。

――社外取締役や執行役員制度を導入し、ガバナンスに力を入れているほか、情報開示も積極的に進めています。

当社はほとんどの経営情報を公開しています。上場したことでコーポレートガバナンス・コードへの対応が必要になりましたが、私としては同コードを企業経営の模範を示すものだと捉えており、事業展開をしていく上で有用な制度だと考えています。

――今後の事業展開と、これからのビジョンについてお聞かせください。

私にはニッチな分野に少人数で、システムを活用して取り組むというビジョンがあります。ニッチでありながら確実なニーズを見込める新規事業として、事務所・倉庫・駐車場を備えた「ビジネスストレージ」と、趣味を楽しむための「ホビーストレージ」をスタートします。ストレージ事業はアイデア次第で多様な用途が生まれてくるものですから、当社の側から使い方を啓発する取り組みも必要だと考えています。

 従業員をむやみに増やすことなく、と最初に言いましたが、おそらく5年後も100人程度で変わらないでしょう。将来的には、従業員1人当たり1億円、計100億円の経常利益(直近期は25億円)を目指します。

 私自身は人の役に立つ“御用聞き”という信念で商売をしてきました。お客様ファーストの姿勢で愚直な努力を継続し、従業員に対しては仕事の充実とともに理想的な人生づくりをサポートしていきたいです。