連続休暇の制度導入

――社員の休暇取得に関する制度を新たに導入しましたが、これもESG経営の一環ですか。

夏井 もちろんそうです。人手不足が深刻になる中、健康経営や働き方改革も重要な経営課題です。そこで、全社員に年次有給休暇の5日連続取得を促す新制度「SNK Take Five」を、2019年4月にスタートしました。4月、5月のデータを見ると休日取得率は確実に増え、一方で残業は減っています。社員のみなさんの意識改革につながっていると実感しています。

――AIなどの最先端技術が登場し、建設業界の未来も大きく変わると予測されます。今後の50年に向けてどのような思いを持っていますか。

■ 環境対策と地域貢献への取り組み
古いユニフォームをポリエステル培地にリサイクルし、植物栽培に活用
(写真:木村 輝)
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夏井 少子高齢化と人手不足が今後も進んでいくのは確実でしょう。新しい技術の導入や会社の成長を支える人材の確保は大きなテーマです。AIについては現在検討中ですが、IoTは現場への導入を始め、生産性向上に役立てています。RPAも2018年度から導入し、単純業務を置き換えるなど活用を進めています。

 AIをはじめとする技術は今後急激に進化していくでしょうし、当社がESG経営の推進で持続的成長を実現するためにも、事業のハイテク化・高度化は必須です。

 またガバナンスに関しても、機関投資家だけでなく、これからは個人株主の開拓も重要な課題と捉えています。個人向けのIRを2019年初めて実施しましたが、これは今後も継続していきます。

――その未来へ向けて、次世代経営リーダー研修を実施しています。成果について教えてください。

夏井 3年前から、中長期に会社を導くグローバルな人材を育てる目的で、毎年20人程度を対象に、研修を実施しています。研修を受けることで、自分自身に対する気づきが得られるとともに、ネットワークづくりやモチベーション向上といった成果も出ています。プログラム自体は必要に応じて調整を重ねていきます。すでに海外法人の責任者や事業部長などの幹部が育っていて、効果を実感しています。

 次世代のリーダーだけでなく、社員それぞれの意識変革も重要です。50周年に合わせて社員の制服を一新しますが、古い制服を裁断した繊維を社内の植物栽培に活用しています。この技術は近畿大学と共同で開発したものです。他にも原発事故の影響を受けた福島の振興策として、観葉植物の試験栽培もしています。こうして身近なところからリサイクルを進めることで、環境や社会への貢献を社員も肌感覚で理解できるようになります。ESGやSDGsはそうした気づきも与えてくれました。

 働き方でも事業でも新しい価値観を取り入れてESG経営を確立したいと思います。