――従来は分社化する伝統がありましたが、2017年からバーチャルカンパニー制を導入した狙いは何ですか。

伊勢 品質と並ぶ創業以来のDNAとして分社化があります。ただ、今後もサステナブルであり続けるためには、重複部門の整理など無駄を省く必要が出てきました。そこで明確に分社経営からグループ経営へと舵を切り、実質的に一つの企業とみなして運営するバーチャルカンパニー制を導入しました。今後も会社統合とグループ連携を進め、経営資源を生み出してCASEに投資していく考えです。

サステナビリティ推進組織を発足

――ESGやSDGsの考え方は企業経営にどのような影響を与えていますか。

伊勢 電動化とCO2削減の推進に加えて、取り組みをしっかり発信しつつ様々な計画を具体化していくことが大きなテーマです。さらにSDGsの優先課題選定を契機に、中長期視点で社会的要請に応えていく全体戦略を議論するサステナビリティ会議を新設するとともに、専任組織としてサステナビリティ推進グループを2019年10月1日に発足させました。現在、KPI策定に向け議論しているところです。

――ESG、SDGsの視点も含め、今後途上国とはどう関わっていきますか。

伊勢 新しい市場に進出するのは当然のことで、次の魅力的な市場はアフリカでしょう。アフリカでは日本の中古車が数多く走っており、その中古車向け部品市場、いわゆるアフターマーケットに今後力を入れていきます。自動車は最重要インフラであり、裾野の広い産業ですから、その国の経済に与える影響はとてつもなく大きいものです。この取り組みが結果的に、その国の発展にも貢献していくと考えています。

――今後の人材採用と育成についてはどう考えていますか。

伊勢 労働人口が減少する中、優秀な人材を集めるには、「アイシン精機はここがいい」という部分をアピールしていかなければいけません。人事部を中心に、女性活躍推進を含め、アイシン精機ならではの強みを考えているところです。海外サプライヤーとの競争に量で対抗するのは難しく、別の視点で強みを打ち出さなければ勝てないという危機感があります。その強みを生むのはやはり人ですから、人材育成にも一層力を入れていきます。