聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

ノーベル化学賞の受賞に沸く旭化成。「Cs+for Tomorrow2021」をスタートした。環境分野への集中投資で、持続可能な社会への貢献と企業価値向上の両立を目指す。

――2019年度から3年間の新中期経営計画「Cs+for Tomorrow2021」が始動しました。ESG経営にはどのように取り組んでいきますか。

小堀 秀毅(こぼり・ひでき)
旭化成 代表取締役社長
1955年石川県生まれ。神戸大学経営学部卒業後、1978年旭化成工業(現旭化成)入社。旭化成エレクトロニクス代表取締役社長兼社長執行役員、旭化成取締役兼常務執行役員、同代表取締役兼専務執行役員など経て2016年4月より現職(写真:村田 和聡)

小堀 秀毅 氏(以下、敬称略) 企業経営においては、外部環境の変化への対応が極めて重要です。前中期経営計画を実行した18年までの3年間で、SDGsやESGに対する世間の注目が高まり、企業にも積極的な対応が強く求められるようになったと認識しています。そこで新中期経営計画では、当社が中長期的に目指す方向性のキーワードとしてサステナビリティを設定。「Care for People,Care for Earth」という表現で、持続可能な社会の実現に貢献する姿勢を明確に打ち出しました。

 社会貢献に関しては、これまでCSRによる取り組みを中心に発信してきましたが、事業活動そのものが持続可能な社会を実現するものであると強く訴えることを意識しました。

――具体的にはどのような事業で持続可能な社会の実現を目指しますか。

小堀 注力する事業分野として「環境・エネルギー」「モビリティ」「ライフマテリアル」「ホーム&リビング」「ヘルスケア」の5つを定めました。この5分野に集中的、継続的に投資を行い、顧客の信頼を勝ち得て、グローバルナンバーワンやオンリーワンを実現したい。こうして高収益な事業の集合体をつくることは、企業価値の向上にもつながります。持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上という、2つのサステナビリティの好循環を生み出すことが重要だと考えています。

5つの価値提供注力分野を中心に収益性の高い付加価値型事業の集合体を追求することで、持続的な企業価値の向上を図りながら持続可能な社会へ貢献する
図版提供:旭化成
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