ESG債への投資を開始

――脱ガソリン車の動きで財団の役割や活動は変化していきますか。

阿部 自動車リサイクル法は「シュレッダーダスト(ASR)」「エアバッグ」「カーエアコン用フロン」の3品目の引き取りやリサイクルを自動車メーカーに義務付けています。現状これらは適切に回収・処理されていますが、電気自動車(EV)などが今後普及してくると、例えばバッテリーのリチウムイオン電池のように自動車を構成する新たな部品や素材が登場します。当財団はそうした部品・素材の廃棄状況や処理技術の進歩を見ながら、リサイクルのスキームを提案していきたいと考えます。

■ 世界に誇れる日本の自動車リサイクルシステム(ジャパンモデル)
JARCでは、それぞれの役割を明確にし、一体となって取り組む。自動車リサイクルシステムの安定運用に努めている
(出所:自動車リサイクル促進センター)
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――財団の事業とSDGs・ESGをどう結びつけていますか。

阿部 当財団は自動車のリサイクル促進により、CO2排出抑制や気候変動、資源の枯渇、ごみ問題といった多様なSDGs課題への貢献を体現してきた組織だと認識しています。

 2018年からは未来を支える子供たちに向けて、自動車リサイクルに関する発信、小学生の絵画・標語コンクールを開催し、子供の頃からリサイクルや環境に対する意識を高める啓発活動にも取り組んでいます。

 環境省の「グリーンボンドガイドライン 2017年度版」も考慮し、自動車の所有者からお預かりした約9400億円のリサイクル料金のうち数億円を使って、2018年度からグリーンボンドとソーシャルボンド及びサスティナビリティボンドを運用しています。ESG債には今後も積極的に投資し、循環型社会実現の一翼を担う組織として社会的責任を果たしていく考えです。

――今後の展開を教えてください。

阿部 自動車リサイクル法施行からまもなく15年となり、制度は安定していますが、近年は若い世代の認知度が下がっています。リサイクル料金の適正利用で先進的な取り組みを展開していることをアピールし、認知度を上げたいと考えています。