エネルギー転換を重視

――TCFDを金融以外の企業もフォローするようになっています。これはなぜだと考えますか。

ルイス 政府はもちろんのこと、投資家も気候変動問題をより深刻に捉えるようになり、投資家から企業に対して情報開示を求める圧力が強くなったからです。それに加えて、顧客や消費者からの圧力が生まれています。とりわけ若い世代は環境面で持続的な企業に高い関心を持つようになりました。若い世代は企業にとって将来の顧客ですから、企業は環境に資する取り組みを進めていかなければリスクとなります。TCFDは当社にとって、企業をポートフォリオに取り込む上でリスクを知る重要なツールにもなっています。

――2019年8月にエネルギー転換ファンドを立ち上げました。その狙いを教えてください。

ルイス 脱炭素化や分散化に取り組む企業を支援するファンドです。一例として、再生可能エネルギー、とりわけ太陽光エネルギーはどこでも利用でき、かつ中央制御が不要な仕組みですが、当社は移動式のソーラーパネルを提供している企業に投資しようと考えています。

 人口爆発でエネルギー消費が増加する未来を考えると、エネルギー転換は必須です。私は「投下資本に対する回収エネルギー率(EROCI)」という概念に基づき、エネルギーの経済性を分析しました。その結果、石油と再生可能エネルギーに同額の資本を投下した場合、回収できるエネルギー率は再生可能エネルギーの方が格段に高いことが分かりました。効果的なエネルギー転換を促すインフラに携わる企業は、ビジネスでも勝者となる可能性があり、当社にとって重要な投資対象となります。