聞き手/斎藤正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

サステナビリティを全面に打ち出し、自社内で紙再生を実現させる。教育現場では、印刷作業の効率化や教育の質を高める「アカデミックプラン」を推進する。

――どのような考えのもとに新製品を世に送り出していますか。

柳田 貴之(やなぎだ・たかゆき)
エプソン販売 取締役 スマートチャージSBU本部長
1989年エプソン販売入社。2007年中四国営業部長、10年MA営業部長、13年VPMD部長、14年北関東信越営業部長、16年ビジネス営業本部副本部長、18年同本部長、18年取締役ビジネス営業本部長。19年より現職(撮影:村田和聡)

柳田 貴之 氏(以下、敬称略) 当社は、経営理念で「地球とともに」を明確に打ち出しています。「なくてはならない会社」になるためには、どれだけ社会貢献をしているかが問われます。エプソン独自に開発したHeat-Free Technologyを採用したピエゾ方式インクジェットプリンターは、熱を使わず、インクを紙に吹き付ける非接触印刷です。このインクジェットプリンターは、従来のレーザープリンターと比べると使用電力を8分の1に抑えられ、環境への負荷を減らすことができます。SDGsなくしてビジネスの継続はあり得ないと考えています。

――SDGsをそこまで重要視する理由は何ですか。

柳田 企業としてSDGsの考え方をしっかり持っていなければ、お客様に商品を受け入れてもらえないという時代だからです。

――プリントやコピーの使用状況に合わせてプランや機種を選べる「スマートチャージ」のサービスで、2020年から販売開始の新製品を発表しました。ESGやSDGsの視点で、ポイントになるのはどこですか。

柳田 レーザーからインクジェットへと、地球にやさしいプリンターをさらに普及させていくことが私たちの使命です。新製品では、紙に穴を空けたり、ステープルを留めたりするフィニッシャーと呼ばれる後工程の機能を進化させました。当社の製品の考え方に賛同してくださっていながら、性能面からインクジェットプリンターに踏み出すことができなかった方にもご満足いただけると思います。

 現在、使っているコピー機やプリンターに慣れていて、ワークフローを変えたくないという現場も多いでしょう。環境に配慮して、なおかつ生産性も高いインクジェットの価値を、もっと世の中に広く知ってもらいたい。そのうえで、「使い勝手もこれまでと変わらない」と実感してもらうことが今後の課題です。