自社内で紙の再生を実現

――使用した紙を再生する「ペーパーラボ」を開発されました。オフィスでのリサイクル貢献度についてお聞かせください。

柳田 ペーパーラボは、使用済みの紙を繊維状にまで分解し、文書情報を完全に抹消したうえで、紙に成形する機械です。インクジェットプリンターと併せて導入していただくことで、「環境配慮型オフィス」への転換が可能となります。当社の新宿本社では2019年7月から稼働しており、5カ月間でA4用紙を約54万枚再生し、紙の新規購入量を削減しました。紙のリサイクルには本来、大量の水を必要としますが、ペーパーラボは独自の乾式テクノロジーを採用しており、ほとんど水を使いません。

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独自のインクジェット方式による環境貢献を追求した新商品「LX-10050MF」(左)。PaperLab(右)との連携で環境配慮型オフィスプロジェクトを推進
(写真提供:エプソン販売)

――教育現場に印刷のサービスを提供する「アカデミックプラン」を推進しています。その狙いを教えてください。

柳田 教育現場での印刷業務のあり方を問う、意義のある事業と捉えています。多くの学校では、デジタル化が進んでいるにもかかわらず、教材はいまだにモノクロ印刷で配布されています。カラー印刷は費用がかさむからです。プログラミングの教材などはモノクロでは分かりにくく、教育の質に問題が生じかねません。当社のカラー印刷はコストが抑えられるので、アカデミックプランを利用すると、これまでの費用と変わらずにカラー印刷ができます。

 もうひとつは、先生たちが印刷作業にかかる時間を低減できることです。学校では旧式の孔版印刷が使われていることが多く、両面印刷やソート印刷ができません。そのため先生方は、1カ月に8〜9時間を印刷に費やしています。印刷室が混み合う時間を避け、早朝や夜に印刷をする先生も多いようです。全国には公立の小学校、中学校、高等学校および専門学校や短大など、約4万1000校があります。当社のオフィス向け「スマートチャージ」を学校現場にカスタマイズして、2025年までに、この3割のシェアを目指します。

――今後取り組んで行きたいことは何ですか。

柳田 製品の進化はもちろんですが、販売としてはどの顧客に売るかが大きな課題です。学校は1つの例です。同時に、当社だけでは実現できないイノベーションやソリューションを、他の企業や団体と一緒に乗り越えていくことも視野に入れています。

 例えば、新製品の機能を改善したりコストを下げたりするだけではなく、現場におけるワークフローなどの問題解決に役立てられることはないか。学校であればスキャナーを採点に使ったり、教室ごとにプリンターを置いたりできるかもしれません。当社だけではできない領域については、社外とも積極的に手を携えながらチャレンジしたいと考えています。