食と薬のシナジーを高める

――2019年に設立された研究所「価値共創センター」の活動について教えてください。

川村 この研究所は、事業ビジョンの重点方針に掲げた「健康価値領域での新たな挑戦」を実践する新施設です。

 当社グループは食品と医薬品の2つの事業を展開しており、食と薬のシナジー効果をさらに高めていきたいと考えています。医薬品分野も今や治癒や治療だけではなく、予防からのアプローチが始まっています。例えば認知症などは予防に力を入れたほうが効果的なケースもあり、これは食品の領域でもあります。

 価値共創センターでは垣根を超えたイノベーションを起こすために、社内外から医薬品、食品分野の専門家約40人を集め、老化や食事療法、マイクロバイオームと呼ばれる腸内フローラの活用について研究をしています。当社でも食と薬それぞれの分野で長い間関わってきたテーマなので、興味深い成果が生まれると期待しています。

――経営基盤ビジョンの取り組みの1つ、後継者を選定するための「サクセッションプラン」はどのような問題意識で策定しましたか。

川村 期待される経営者像を具体的に示した「リーダーシップバリュー」を18年度に作成し、19年から運用を開始しました。新しい経営者像を明確にしなければ、後継者育成にも取り組むことができません。

 リーダーシップバリューの土台となっているのは、改革をちゅうちょせず、変革を起こせる人物であることです。

 サクセッションプランの導入を通して、社長選定のプロセスを透明化させます。また30~40代のしかるべき人材への経営者育成計画をはじめ、グローバル人材およびイノベーションマインドを持つ人材を育てることで、持続的に成長する経営基盤を築きたいです。