実店舗が果たす役割

――地域社会への貢献にも力を入れています。どのような活動を展開していますか。

三宅 ここ1、2年は実店舗の価値を改めて感じています。例えば災害時、店舗が避難場所や、人々の心のよりどころになることが分かりました。2019年秋、台風が立て続けに首都圏を襲った時、店舗を閉めるかどうかの判断を迫られました。しかし、「水や食料を買っておきたい」というご要望があったので、ぎりぎりまで営業を続けました。

 買い物以外にも、「近くで一番大きな建物がイオンだ」ということで高齢者の方が避難してきたり、家族全員が車に乗って立体駐車場に避難したりということもありました。このような防災拠点としての側面も、実店舗の大きな価値です。

 それ以外にも、レシート金額の1%と同額の物品を地域のボランティア団体に寄贈する「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」をはじめ、店舗を中心に地域を巻き込む活動を数多く展開しています。

 イオン葛西店では毎朝、ラジオ体操を実施しており、現在は地域の高齢者ら約120人が毎日欠かさず訪れ、コミュニティ拠点となっています。これらも実店舗を構えているからこそ果たせる役割でしょう。従業員は誇りを持って働いていますし、その意味で、19年末に日経SDGs経営大賞の社会価値賞を受賞できたのはとてもうれしいことでした。

■ 顧客との接点を生かしながら地域密着の活動を展開
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災害時、地域住民を受け入れる体制を整えている。イオン店舗の災害訓練でバルーンシェルターを設置した(左)、2001年からレシート金額の1%と同額の物品を地域のボランティア団体に寄贈する「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」を展開(右)
(写真提供:イオン)
イオン葛西店内では毎朝、ラジオ体操が行われ、地域のコミュニティづくりに貢献している
(写真提供:イオン)
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――その他、ESG・SDGsの観点から今後力を入れていきたい取り組みがあれば教えてください。

三宅 会社の取り組みはいろいろとありますが、個人的には、日本全体で電力を再生可能エネルギーに振り替えていくお手伝いができればという思いがあります。日本の主力電源を再エネで賄うことが技術的には可能になっています。どうすればそれが実現できるのかを、お客様と一緒に考えていきたいですね。