聞き手/田中 太郎(日経ESG編集長)

2004年の創業以来、データ活用により顧客企業の経営改善を支援してきた。経済活動に生じる多くのムダを排除することで持続可能な世界の実現を目指す。

――ブレインパッドは「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」というミッションを掲げています。データ活用はサステナビリティにどうつながるのですか。

草野 隆史(くさの・たかふみ)
ブレインパッド 代表取締役社長
東京都出身、1997年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了後、日本サン・マイクロシステムズ(現日本オラクル)入社、2004年ブレインパッドを設立し代表取締役社長に就任。15年代表取締役会長を経て19年7月より現職(写真:村田 和聡)

草野 隆史 氏(以下、敬称略) 今はIoT(モノのインターネット)機器の利用など様々な形でデータの収集が可能です。そのデータをつぶさに分析すれば、経済活動に生じている多くのムダを省き経営を改善できます。物流を例にとれば、いつ、どこに、どれぐらいの需要があるかを把握することでトラックの走行距離が短く、従業員の働く時間が少ない配送ルートを作成できる。CO2排出量削減や生産性向上が可能になり、サステナビリティの実現に近づきます。SDGsでいえば、データ活用は経済成長や技術革新、気候変動に関係するほか、食品ロスの排除を通して飢餓や貧困の解決も可能にするものと考えています。

 ただ、日本企業にはデータ活用がサステナビリティ実現につながるという認識が浸透していません。そもそもIT化もまだ不十分です。そこに大きな危機感を抱いています。

 労働人口が減る日本がGDP(国内総生産)を維持・拡大するには、データによって状況を精緻に把握・分析し、意思決定の精度を上げて1人当たりのGDPを増やすしかありません。経営者に対し、IT化やデータ活用の重要性と、それらがサステナビリティやSDGs達成につながることを強く訴えていきたいと思います。