――中期計画でも、環境に対する具体的な目標値を定めていますね。

CO2排出の抑制量を「年間1000千万t」と言ってもなかなか伝わりにくいので、「植林」に換算してお伝えしています。植物は光合成をするときにCO2を使うので、CO2排出の削減量を1本の木が育つのに必要なCO2量に換算し、何本植林できたかを地図で表す方法です。「安川電機みらい館」のモニターと当社ウェブサイトでも見られますが、既に九州から関東地方まで木で覆うほどの削減量を達成しています。もう1つの数値目標としてCCE100(Contribution to Cool Earth100)も掲げています。当社製品がCO2排出の削減に貢献した量を分子に、事業運営や生産設備で排出されるCO2量を分母にして、数値を割り出します。現在は50倍ですが、さらに分子を大きく、分母を小さくして2025年までに100倍にするのが目標です。

――21年までに本社事業所などで、CO2排出量をゼロにする高い目標を掲げています。

「本社Clean Power 100 Project」という取り組みで、本社事業所におけるCO2排出量ゼロを目指しています。現状は40%ほどで、残り60%は化石燃料を使う電力を購入していますが、今後は地熱、風力、太陽光などをエネルギー源とする電力に切り替えていきます。

開発拠点を集約、生産も強化

――18年、埼玉県入間市で稼働した「安川ソリューションファクトリ」の特徴を教えてください。

自動化により生産性を高めた工場です。生産スピードは3倍、発注から納品までにかかるリードタイムは6分の1、生産効率は3倍という目標値を定め、ほぼ達成しています。1つのコントローラーで周辺の装置をいくつも動かす、設備に使われるモーターの反応を細かくデータ解析するなどして、製品の品質を上げ、製造ラインの進化を図っています。

――研究開発の拠点となる「安川テクノロジーセンタ(仮称)」が20年に新設されます。どのような目的ですか。

これまでは各事業部で生産や開発をしており、事業部間の交流が少なかったのですが、開発スピードを上げるため、1つの拠点に集中させます。開発段階から生産技術や部品調達の人員が関わることとなり、「生産の自動化がしにくい」などの問題にすぐ対策を講じられます。それにより、生産リードタイムを短縮できます。海外生産が50%を占めますが、現地で部品調達がしやすいかなどの議論も開発段階から行えます。環境への取り組みを推し進めるのと同時に、製造工程や研究開発の質をさらに磨きたいと思います。