女性管理職が年々増加

――ESGの「G」であるガバナンスにも力を入れると表明されていますが、どのように進めていますか。

井上 企業組織として今後も発展していくためにも、ガバナンスの強化が必要だと考えています。第1の取り組みは、18年より購買業務を見直したことです。物品購入において、各部署の担当者に任されていた体制を取りやめ、見積システムを導入しました。

 コスト削減はもちろん、公平性や第三者による視点も得ることができ、現時点でほぼ根付かせることができています。これにより大きく生産性が上がり、働き方改革という視点でも、効果を上げることができました。

 第2の取り組みは、女性管理職が働きやすい環境整備を進めたことです。女性の管理職はこの1年で2人増えて現在8人います。「エコ計画フレンズ」など子会社の社長が2人、エコ計画とエコ計画ホールディングスの管理職が6人です。さらに役員に女性を登用できるよう、教育を進めています。

 最後にITの推進にも尽力しており、ペーパーレス化を進めています。作業効率の向上を図るため、ワークフローシステムを導入し、20年には本格稼働する予定です。

障がい者の個性・特性を生かす

――5年前から障害者の雇用を積極的に進めています。どのような経緯で始めましたか。

「障がい者雇用で生産性が向上」(写真:中島 正之)

井上 前社長で社主の井上功が、同業他社で働く障がい者の方たちの劣悪な環境を目の当たりにして衝撃を受け、「安心して仕事ができる職場を作りたい」と思ったのがきっかけです。実は障がい者の雇用を始めたことで、生産性が高まっています。

 新施設である「寄居Eスペース」は、空間が広くセキュリティーもしっかりしているので、障がい者の方が快適に働く環境として、日本一と胸をはれる施設だと思っています。「さらにステップアップしたい」という前向きな理由で退職した事例を除いては、離職者が出ていない状況です。

――障がい者雇用について、今後の見通しを教えてください。

井上 現在、寄居Eスペースでは障がい者等約60人を雇用しています。職業訓練をしっかりするため、年間3人ぐらいずつ増やすようにしています。最終的な目標は「障がい者の方の自立」です。

 業務としては、リサイクル、リユースのための電子機器の分解を担っていますが、集中力が途切れず、細かい作業を時間内に進めることができ、笑顔で前向きに仕事に取り組んでいます。障がい者の方たちの個性や特性を生かせる職場だと認識しています。行政や他社との協業もはかり、第2、第3のEスペースを作っていきたいと考えています。

――産廃業界では他に例をみない、森林整備事業を担っています。その意義をどう捉えていますか。

井上 環境資源として森林が持つ価値は年間70兆円を超えるといわれています。これを日本の森林1ha当たりに換算すると年間約280万円になります。森林事業は生物多様性や地球環境の保全という観点では、SDGsの3つの目標に対応する、価値ある取り組みと考えています。

 当社が保有する群馬県高崎市の山は、08年に山を愛する資産家から購入しました。1000haの森林を有し、天然林や生物多様性に富んでいることから、「フォレストック認定」を受けました。関東地方で認定を受けているのは、当社の山と尾瀬の2つで、とても希少な森林ということになります。持続的な森林管理と生物多様性が守られているということで評価をいただくことができました。

 同業他社と差別化する取り組みとして、一般社団法人フォレストック協会と連携し、CO2吸収量のクレジット(カーボン・クレジット)を販売しており、取引先企業から高い関心を寄せられています。今後も企業や行政が、活動の過程で排出するCO2をオフセットできるカーボン・クレジットの販売を促進していきたいです。