ESG強化へ米社買収

――ESG事業の拡大に向けて、米社の買収を公表されました。

「サステナブルファイナンスを徹底研究」(写真:村田 和聡)

後藤 19年12月に、サステナブル・テクノロジー及びインフラストラクチャー分野においてM&A助言のリーディング・ブティックであるグリーンテック・キャピタルLLC(Green-tech Capital, LLC)と買収合意に至りました。

 ESG投資に対し企業や投資家の動きが活発になる中、当グループでは資金調達だけでなく、ESG分野のアドバイザリーという面での強化を図っています。

 09年創業のグリーンテックは、再生可能エネルギーなど環境関連のインフラ整備や事業向けにM&Aの助言を行っています。拠点は米国や欧州が中心ですから、アジアに強い当グループと補完関係が築かれ、今後しっかりとした協力体制ができていくと思います。本件の買収については、関係当局の承認などを条件として、20年3月31日の完了を見込んでいます。

――野村グループ全体で環境負荷低減にも取り組んでいますね。

後藤 国内及びグローバルの各事業拠点においても、環境への取り組みを進めています。

 例えば、国内外のグループ全体を対象として、50年度までにCO2排出量を12年度比65%削減という長期目標を策定しました。グリーン電力の利用拡大など、CO2排出量削減に向けて積極的に取り組んでいきます。また、廃棄物排出量の削減、省エネルギー、資源の有効活用など様々な面から環境負荷低減に取り組んでいます。

 18年には、野村ホールディングスと野村アセットマネジメントがTCFDへの賛同を表明しました。加えて、気候変動による機会とリスクに関する効果的な情報開示や、開示情報を適切な投資判断につなげるための取り組みについて議論する場として設立された、TCFDコンソーシアムにも参画しています。

――ESG投資が増える中、企業は投資家や株主に向けて適切に情報提供を行う必要があると思いますが、今後、IR(インベスター・リレーションズ)のあり方はどのように変わっていくと見ていますか。

後藤 ESGのテーマとダイレクトに関係しているような企業は、投資家の要望もあり、以前からIRを積極的に行ってきました。それが、もはや一般的になってきていると思います。逆にいえば、ESGの観点で何かを語れないのであれば、IRとしては不十分だといわれる時代になっていくのではないでしょうか。