聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

2018年、社名変更と同時に作成したミッションを通してSDGs達成への貢献を図る。ESG視点でCSR重点課題4分野を設定し、新たな取り組みを進める。

――オカムラのESGに対する考え方を教えてください。

中村 雅行(なかむら・まさゆき)
オカムラ 代表取締役社長 執行役員
1951年東京都生まれ。73年早稲田大学理工学部卒業後、岡村製作所(現オカムラ)入社。96年取締役、2001年常務取締役、07年専務取締役を歴任。12年6月代表取締役社長、19年6月より現職(写真:川田 雅宏)

中村 雅行 氏(以下、敬称略) 近年、企業経営に対する評価の尺度は大きく変わりつつあります。業績だけではなく、ダイバーシティ、CSRやESGへの取り組み、SDGs達成への貢献などが評価の軸に加わっています。我々も経営そのものを変え、企業文化を刷新しなくてはならないと考えています。

 そのための最も重要な施策として2018年4月、社名を岡村製作所からオカムラに変更しました。同時に創業時から受け継いできた「創造、協力、節約、貯蓄、奉仕」の精神や「よい品は結局おトクです」というモットーを今の時代・社会に合わせた表現にしようと、「豊かな発想と確かな品質で、人が集う環境づくりを通して、社会に貢献する。」というミッションをつくりました。オカムラはこのミッションを通してSDGs達成に貢献したいと考えています。

――具体的にはどのような取り組みを進めていますか。

中村 これまで取り組んできたCSR活動をESGの視点で見直し、重点課題として「人が集う場の創造」「従業員の働きがいの追求」「地球環境への取り組み」「責任ある企業活動」の4分野を設定しました。それぞれの分野で今やるべきテーマを据えて取り組みを進めています。

■ オカムラグループのCSR重要課題4分野
図版提供:オカムラ
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――「働きがいの追求」では社員の創造性・効率性を向上するための働き方改革に取り組んでいますね。

中村 人生には家族や友人、趣味、健康など様々な要素があり、仕事はその1つであるという「ワークインライフ(Work in Life)」の考え方を中心に働き方改革を進めています。「そうありたい」という意味を込めて「WiL-BE」と総称しています。

 様々な社員に集まってもらい、アイデアを出し合って、より創造的で生産性の高い仕事ができるよう制度や規則を改革しました。既にコアタイムなしのフレックス制や、60歳から65歳への定年延長などを導入しました。今後は業務を短時間化するために必要なIT投資もさらに増やしていきます。

 働き方改革を進めれば、目に見えて生産性や創造性が向上するというものではありませんが、経営者は環境を提供すること、土台をつくることが重要だと思っています。