裏方にもスポットライト当てる

――「WiL-BE」の一環で昇格や昇給の制度も見直しています。

中村 会社の中には色々な部門があります。経営はチームプレーです。大きな注文を取ると、表舞台に立つ営業社員ばかりが評価されがちですが、その陰には提案資料を作ってお客様の課題を解決したデザイナー、製品を手配した事務部門の社員らの存在があります。

 そういう縁の下の力持ちやスペシャリストにもスポットライトを当て、きちんと評価して給料に結びつけることで働きがいも生まれると考えています。 

――オカムラは製品を通して企業の働く環境や働き方も変え得る立場です。製品開発はどう進めていますか。

中村 昔はオフィスといえば机といすとキャビネットがあるだけでしたが、今は大きく変わりました。オカムラがダイキン工業やライオンなどと共同でつくる未来のオフィス空間「point 0 marunouchi」には木がうっそうと茂り、丸テーブルやソファが置いてある。その中でみんなパソコンやタブレット端末、携帯電話を使って仕事をしています。

 オカムラは従来、机、いす、キャビネットという縦割りで製品開発をしていましたが今は、そのやり方では通用しません。仕事の“場”を見て、必要なものは何かを横串を貫いたプロジェクトベースで考えることが必要です。製品開発部隊には、製品ではなく、新しい需要をつくることが仕事だと伝えています。

 たとえば、モーター内蔵でボタンを押すと机の天板を上下できる「スイフト」というデスクがあります。「座り過ぎは健康に良くない」という研究結果があり、立ち姿勢を取り入れた働き方が注目を集めていますが、「スイフト」はそれに対応するものです。ある企業は本社移転の際、社員の健康と能率向上を図るため1万超の机すべてを「スイフト」に切り替えました。健康という切り口で新たな需要をつかんだのです。

 このように新たな需要を創出できれば仕事は楽しい。社員たちにはこういう仕事をして働きがいを感じてほしいと願っています。