代替食品で地球環境の負荷を低減

――植物由来の「代替肉」の人気が高まるなか、国内の大豆ミートのシェアは5割に達しています。どのような取り組みをしていますか。

門田 2019年9月、大阪市にある大丸心斎橋店に大豆ミートを使用したハンバーグや唐揚げ、ラザニア、サラダ、デザートなどを販売する「UPGRADE Plant based kitchen」をオープンしました。食べ応えがあって美味しいとの評判を得ています。

 牛や豚を育てるには相当な量の水やエネルギーを使い、CO2も排出します。大豆などの植物原料で代替できれば、環境負荷を減らせるという発想のもと、代替肉だけでなく、植物由来のチーズやバターなどの乳製品も開発しています。植物性食品素材によって社会の課題を解決する「PBFS(Plant-Based Food Solu­tions)」を掲げています。

 素材は大豆に限りません。えんどう豆を使用したり、研究段階ですが、くるみを素材にするなど、新しい価値観を生み出す取り組みに力を入れています。DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)を劣化させずに油に溶け込ませる特許技術や、大豆臭が抑えられる味や匂いを加える技術などにより、今まで以上に付加価値が高くて美味しい代替肉を開発したのもPBFSの一環と言えます。

■ 「UPGRADE Plant based kitchen」の出店により、消費者への訴求を強める
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肉食感のある「大豆ミート」や豆乳で作ったチーズ「まめまーじゅ」は、ヘルシーで栄養価が高い。様々な形状に加工することで、バリエーション豊富なメニューを展開している
(画像提供:不二製油)

――業界からESG経営でトップクラスの評価を受けていますが、今後の課題は何でしょうか。

門田 サステナブル調達の問題です。我々のサプライチェーンに環境を破壊している農家は入っていないか、人工衛星で森林状況をモニターし、検証する仕組みも導入していますが、さらに効果的な取り組みの構築も必要だと考えています。

 「不二製油グループは健康、環境、倫理を重視して商品をつくる」という事実があまり知られていないことも課題です。最終消費者を意識した商品づくりが十分にできていないから、社会の価値として認知されていないと認識しています。サステナビリティをベースとして、社会にインパクトのある価値をどうつくっていくのかが今後の大きな課題だと思っています。

 当社のESGの取り組みは、登山でいえばやっと5合目まで来たところでしょうか。方向性が定まり、下を見る余裕も出てきましたが、海外を含め、先を行く会社はたくさんあります。今後も一層の努力が求められると思っています。