聞き手/酒井 耕一(日経ESG発行人)

新型コロナの影響でリモートワークが進む中、業務プロセスやITインフラには課題も見えてきている。顧客との価値共創を通じた社会課題の解決を目指す野村総合研究所は変革の機会ととらえる。

――新型コロナウイルスの感染拡大をどう受け止めていますか。

横山 賢次(よこやま・けんじ)
野村総合研究所 常務執行役員
1983年早稲田大学商学部卒業後、野村證券(現野村ホールディングス)入社。2006年ノムラ・バンク・インターナショナルPLC(ロンドン)社長、09年シニア・マネージング・ディレクター(グループ執行役員)、11年野村総合研究所執行役員を経て16年より常務執行役員、グループCFO、コーポレートコミュニケーション、総務担当。サステナビリティ経営を推進する社内組織であるサステナビリティ推進委員会の委員長も務める(写真:木村 輝)

横山 賢次 氏(以下、敬称略) 企業経営や組織運営、市民生活、すべてに大きなパラダイム変革を起こすものととらえています。今回、多くの企業が在宅勤務やオンライン会議を試み、「やればできる」という意識が生じています。当社では今、本社には全体の5%の社員のみ出社しています(2020年4月時点)。新型コロナの収束後も、リモートワークを含めた働き方が「ニューノーマル」となるはずです。

 ただ、デジタル化整備が遅れていたり、紙ベースの業務が残っていたりと、リモートワークを進める上で課題を抱える企業もあります。コンサルティングやITソリューションの提供を通じて、ビジネスモデルや業務プロセス、ITインフラの変革を支援することが野村総合研究所(NRI)の使命だと思います。

――社会課題を解決しつつ自社の成長も実現できる取り組みですね。

横山 当社は企業理念に「新しい社会のパラダイムを洞察し、その実現を担う」と掲げています。「中期経営計画2022」では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しながら、「活力ある未来社会」「最適社会」「安全安心社会」という3つの社会価値を顧客とともに共創し、持続可能な未来社会づくりに貢献する方針を示しています。新型コロナがもたらすパラダイム変革は、こうしたCSV(共通価値の創造)経営を進めるNRIにとって企業価値を向上する機会でもあります。

■ 3つの社会価値を共創し、「なくてはならない存在」であり続ける
出所:NRI
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