時間と場所の制約をなくす

――そのHRポリシーをもとに変えた事例をお聞かせください。

早田 まず採用方法が変わりました。昔のように条件の良い人を選ぶのではなく、多様な人たちを受け入れて、教育の機会を提供し、きちんと学んでもらう。成長できれば処遇もよくなり、未来も開けます。そのための新たな人事制度も整えました。契約社員で入っても6カ月たったら無期雇用にして、半年ごとに評価し、評価一時金を支給する。短時間勤務者向けやスペシャリスト向けのキャリアパスも新設するなど、正社員と非正規社員の垣根をなくす制度改革を進めています。

 当社は、沖縄、松江、旭川など全国に30数カ所の拠点を持っているので、地域に根差した採用で就労機会を増やすなど、地方創生的な社会貢献にも力を入れています。

――ほかにも「人と働き方の多様性」を進める取り組みはありますか。

早田 子育てや介護など、ご家庭の事情でキャリアが途中で切れる方もいます。その解決策として、時間と場所の制約をなくす取り組みを進めています。17年5月に制定したモバイルワーク制度で、週2日の在宅勤務が可能となり、経営会議や取締役会もウェブで開催できます。新型コロナ感染症の国内発生初期から本社の在宅比率は5割以上です。

 19年12月に発表した当社とデロンギ、日本マイクロソフト、DataMeshの連携による「コールセンター・ワークスタイル・イノベーション・プロジェクト」が実現すれば、コミュニケーターの在宅勤務の可能性も広がります。

■ コールセンター・ワークスタイル・ イノベーション・プロジェクト
■ コールセンター・ワークスタイル・	イノベーション・プロジェクト
専用ゴーグルを装着したオペレーターは、バーチャル空間に3Dホログラムで再現された製品をリアルタイムで動かし、確認しながら、消費者からの問い合わせに回答できる
(写真提供:ベルシステム24ホールディングス)

――今後の取り組みについて、お聞かせください。

早田 当社は18年4月、女性活躍企業を認定する「えるぼし」の最高位に認定されました。19年3月には、『なでしこ銘柄』に選定され、20年3月にはNPO法人J-Win主催「2020J-Winダイバーシティ・アワード」のベーシック部門の最高賞も受賞しました。ともにコールセンター業界初の快挙です。実績が認められた証ですが、まだ途上にあると考えています。これからも「人と働き方の多様性」を重視して、社員やコミュニケーターが働きやすい、働きがいのある環境づくりを推し進めたいと思います。