無料の給水サービス開始

――具体的にどのような施策を進めていますか。

2020年1月にペットボトル削減のための給水スポット拡大に向けて京都市と協定を締結
右は、門川大作・京都市長
(写真提供:ウォータースタンド)

本多 一つは行政との連携です。既にさいたま市や京都市、神奈川県鎌倉市や、葉山町などと協定を結び、公共施設や民間事業所へのウォータースタンド導入を進めています。ペットボトルの消費量が減れば、使用済みボトルの回収・処理にかかるコストを削減でき、行政にとってもメリットは大きい。今後は地域の鉄道会社を巻き込み、通勤・通学の途中でも給水できる仕組みを構築したいと考えています。

 もう一つは流通業との連携です。レジ袋が有料となった20年7月から、ある小売業の113店舗にウォータースタンドを設置し、無料の給水サービスを提供しています。20年度中に400店舗に拡大する予定です。

――水筒を持ち歩き、ウォータースタンドで給水するというモデルを消費者にはどう浸透させますか。

本多 これまでは主にテレビCMやイベントで認知度向上を図っていました。今、力を入れているのがショールームの展開です。きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大で、すべてのイベントが中止となったことでした。そこで、営業所内にウォータースタンドを陳列したショールームを開設し、ホームページで告知したところ、多くのお客様がご家族で来店してくださいました。滞在時間は平均60分と長く、しっかり体験していただくことで理解も深まり、多くの契約に至っています。

 今後は本格的にショッピングモールへの出店を進めます。20年8月に京都市、9月に東京・代官山など年内に20カ所をオープンする予定です。広く多くのお客様にウォータースタンドのお水のおいしさを知って頂くとともにマイクロプラスチックや気候変動に関する情報を提供し、私たちのミッションを訴えます。

――営業体制も変革が必要となりますが、どう対応しますか。

本多 ショールームを小さな営業所として活用していきます。ショールームを基点に近隣のお客様に対応できるドミナント展開を進めていく意向です。今、東京都23区内では半分以上のお客様を自転車で回っています。CO2削減にもつながる“23区モデル”を1、2年以内に大阪、名古屋、京都など都市圏に広げたいと考えています。

――事業が大きく変化しています。社員の意識転換は進んでいますか。

本多 当社はもともとオフィスのリサイクルトナー事業やボトルウォーター事業などを手掛けていました。12年に韓国の浄水器メーカートップのCoway社と提携したのを機にウォータースタンド事業に乗り出し、18年に社名も変更しました。従来手掛けていたボトルウォーター事業は1年以内にすべて終了し、3つあった工場も閉鎖します。

 会社の活動を通して社会課題を解決できるのは本当に楽しいことです。会社の成長と社会課題の解決が直結することを理解してもらえるよう、社内外でSDGsの勉強を継続していきます。また、ESG推進室を据え、情報発信を強化しています。株式公開の予定はありませんが、公開会社と同様の体制を確立し、明確な基準によって会社を運営することが大事だと考えています。