聞き手/斎藤正一(日経ESG経営フォーラム事務局長)

高い質をベースに信頼を高め、「選ばれる会社」になることを目指す。技術力・人間力を磨くべく開設した「三機テクノセンター」を活用、企業ブランド向上に注力する。

――企業ブランドの向上による成長と発展を目指す方針を打ち出しています。

石田 博一(いしだ・ひろかず)
三機工業 代表取締役社長
1959年北海道生まれ。83年三機工業入社、2012年執行役員営業統括副本部長に就任。16年常務執行役員建築設備事業本部営業統括本部長、17年取締役常務執行役員建築設備事業本部営業統括本部長、18年取締役専務執行役員経営企画室長を経て20年4月より現職(写真:村田 和聡)

石田 博一 氏(以下、敬称略) 三機工業は設立100周年を迎える2025年に向け長期ビジョン“Century 2025”を掲げています。16~18年度の中期経営計画「Phase1」では「質」の向上に注力しました。19~21年度の「Phase2」は質をベースに「信頼」の向上に努めています。財務・資本政策とESG方針の開示、情報発信力の強化を通じて当社への理解を促進し、22~25年度の「Phase3」を終えた時、ステークホルダーから「選ばれる会社」でありたい。BtoB企業である当社は、こうした取り組みがブランド向上に結びつくと考えています。

――「選ばれる会社」とは具体的にはどのような会社でしょうか。 

石田 お客様に「三機に頼んで良かった」と認めてもらい、「次もお願いしたい」と言っていただけるような会社です。当社は空調・衛生・電気・ファシリティなどの建築設備事業、搬送設備・水処理施設・廃棄物処理施設などのプラント設備事業、不動産事業を手掛けていますが、売上高の8割以上は建築設備事業です。選ばれる会社になるには、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)など最新技術を取り入れつつ建築設備の技術開発力を磨く必要があります。

――技術開発力の向上のためにどんな施策を講じていますか。

石田 技術と人の質の向上を目指し、18年に総合研究・研修施設「三機テクノセンター」を神奈川県に開設しました。人事研修や資格取得に向けた座学研修のほか、より実践的な研修も受けられる施設です。

 施工現場を再現したモックアップや実機を活用し現場でなくては習得できないような技術・技能を身につけます。安全帯を使ったぶら下がり体験、足場作業体験など現場の様々な危険に触れて安全な作業について学ぶことができます。協力会社の従業員にも活用の機会を設け、グループ全体の技術力、人間力向上の場としています。三機テクノセンター内に新設したR&Dセンターでは省エネシステムの開発や施工現場での省力化の研究などにオープンイノベーションで取り組んでいます。

■ 総合研究・研修施設「三機テクノセンター」
2018年に開設した「三機テクノセンター」(神奈川県大和市)外観。長期ビジョン “Century 2025” の達成に向け、三機工業グループを支える高い技術力と人財をさらに磨く戦略拠点として構築した
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施工現場を再現したモックアップや実機を活用し、実践的な技術・技能・安全意識等を身につけることができる
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(写真提供:三機工業)