地域経済の発展に貢献

――発電所の開発においては、環境配慮や地元の理解などESGの視点が必要だと思います。

「環境被害を起こさない」

山中 SDGs実現に向けた貢献に加えて、当社ではESGを経営の最重要課題に挙げています。

 まずは環境配慮。再生可能エネルギー自体が環境配慮の取り組みであることはすでに申しましたが、昨今は地震や台風をはじめとする自然災害のリスクが注目され、発電所開発が起こし得る環境被害へのより真摯な対応が必須になっています。

 発電所の用地選定においては関係法令や自治体の条例を遵守するのはもちろんですが、天災へのリスクアセスメントをしっかりと行い、地域の行政や造成業者、EPC(設計・調達・建設)業者などとも綿密に打ち合わせながら進めています。選定した用地についても、地盤、排水などを徹底的にチェックし、必要に応じて地盤や法面の補強、排水設備・調整池の設置なども行いながら、環境被害を「起こさない」設計を常に重視しています。

 20年間のメンテナンス契約締結についてお話ししましたが、3カ月ごとの定期点検で入念なチェックを行っています。わずかでも問題を発見したらすぐに工事を手配することで、天災による被害を未然に防いでいます。

 地元の方のご理解とご協力も重要です。説明会を開き、地域住民の方々の十分なご理解を得た上で開発に着手しています。また、発電所が立地する地元自治体の催し物などにも協力させていただき、地域との交流を深める活動にも力を入れています。

――工事や保守点検に際して地元業者の協力も得ていると聞きました。

山中 測量、造成やEPCに関しては、できる限り地元の業者にご協力をいただいています。トラブルは「起こさない」ことが前提ですが、それでも万が一起きてしまったときを想定し、メンテナンスに迅速にご対応いただけるよう地元の業者にご協力をお願いしています。

 さらには環境整備のパートナー契約を結び、発電所内の環境整備にも配慮しています。こうした取り組みによって、地域経済の発展に向けた貢献も心がけています。当社はまだ社員数が少なく、現在増員しているところですが、今後の規模拡大に際しても地域のパートナーシップを積極的に活用していく考えです。

■ 全国21都道府県で開発した太陽光発電所の一例 ※( )は太陽電池の合計出力
三重県のDS津高野尾発電所(2,036.8kW)
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メンテナンス作業風景
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茨城県のDSP笠間安居発電所(1,632kW)
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千葉県のDS八街根古谷発電所(1,360.8kW)
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最重要インフラを担う企業として

――再生可能エネルギーの今後をどのように見据えていますか。

山中 再生可能エネルギーについては政府の方針も変わっていきますし、今後も事業のバックグラウンドは激変する可能性があります。これからの方向性は、再生可能エネルギーを巡るそうした動静を見ながら判断していくことになるでしょう。

 いずれにしても、世界的な脱炭素化の流れ自体は今後も変わらないでしょうし、その中で再生可能エネルギーはますます重要になっていきます。それとともに、再生可能エネルギーのビジネスとしての価値もこれから拡大していくと考えています。

――いま抱いている将来像についてお聞かせください。

山中 新しい時代の新しいエネルギーをどのようにしてつくっていくかが最大の課題です。

 現在は、再生可能エネルギーで発電された電気の大半を大手電力会社が買い取ることで事業性が保たれています。しかしFITが終了することで、その事業スタイルは必然的に変わります。将来的に再生可能エネルギーは、地域分散型電力の基軸を担うものになっていくでしょう。当社もその流れに先んじていけるように取り組みを進めていきます。国内だけでなく、日本で培った技術やノウハウを、今後はアジアの近隣諸国などに供与する事業ビジョンも視野に入れています。

 100年に1度の電力の大変革は、大きなチャンスです。「新しい時代の新しいエネルギーは自然エネルギーであり、再生可能エネルギーである」という思いについてはブレることなく、最重要インフラを担う企業として、社会貢献の意識を常に抱きながら、まっしぐらに進んでいきたいと考えています。