建設現場の労働環境改善

■ 建築現場にも働き方改革
2021年までに建築現場の週休2日制実現を目指している。塗装拭き付けロボット(写真)を開発するなど、工期短縮のための対策にも取り組んでいる
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 現場に若い人が集まらない大きな理由として、3K現場のイメージが強いことに加えて、休日が少ないことがあります。このままではいけないと考え、現場の週休2日制実現に向け取り組んでいます。2018年4月1日の着工現場から休みを1日増やし、以前の4週4休から4週5休に増やすことを宣言しました。

 現場は土曜日も稼働していたため、全国4670社の協力会社の集まりである「協力会」の皆様からは「本当にできるのか」「本気なのか」と疑問の声も上がりました。そこで協力会の方には事前に、これからは3Kではなく新3K、つまり高い「給料」長い「休日」「希望」のある建設業に変えていこうと説明し、理解を求めました。

 今後のロードマップは、2019年に4週6休、2020年に4週7休と休日を1日ずつ増やし、2021年には4週8休、つまり完全週休2日制の実現に向けて動いています。

――取り組みの進捗はいかがですか。

土田 2018年4月の着工物件から、ほぼ100%に近い形で取り組んでいます。ただ、休みを増やすといってもお客様に工期延長をお願いするわけにはいきません。そこで現場の生産性を上げ、工期短縮のために省人化・省力化を図ることが必要です。

 具体的には、塗装の吹き付けや溶接作業にはロボットの導入を考え、現在開発しています。

「希望」を持てる職場に

――新3Kの「給料」「希望」の面で、優秀技能者認定制度という取り組みも始めました。

土田 一般の作業員から職長、上級職長、優秀技能者、と役職が上がっていく成長モデルを作ることで「希望」を持って仕事に取り組めるようにするとともに、優秀技能者には手当ての提供、つまり「給料」アップも実現しようという取り組みです。

 このほか、優秀技能者のさらに上位の最優秀技能者を認定し、表彰を行います。これは作業員のモチベーション向上につながっています。

電力シェアの街づくり

――社会課題の解決という視点では、住宅と商業施設を併設した「高尾サクラシティ」の取り組みもユニークだと感じました。

「海外進出を見据えて早期に着手」

土田 高尾サクラシティ(東京・八王子市)では街全体のエネルギーの見える化を図るとともに、住宅と商業施設間での電力シェアを目指しました。現在、戸建て住宅83戸とマンション416戸、商業施設には120の店舗が入っています。

 具体的な取り組みとしては、まずクールシェアサービスが挙げられます。これは真夏の暑い時期、自宅で冷房を使わず商業施設に来ていただいた住民の方に買い物に使えるポイントを提供し、電力需要の低下を目指すというものです。

 さらに、商業施設に非常用発電機を設置し、非常時には商業施設からマンションに電力供給を行えるように設計しています。一方、戸建て住宅には蓄電池を導入し、非常時に備えています。おかげさまでご好評をいただいており、今後はこのように、街を点ではなく面として開発していくことにも力を入れていきます。

――最後に今後の展望について聞かせてください。

土田 私自身、2017年に環境担当となり、環境問題への取り組みに注力しているところです。EP100、RE100に参画したことで、さまざまな企業の方とお付き合いが生まれています。

 2018年8月には環境省から「エコ・ファースト企業」の認定もいただきました。これを機に、建設業に限らずあらゆる業界の企業の方々、そして世界中の方々と力を合わせ、環境問題に取り組んでいきたいと考えています。