――東日本大震災に関連する取り組みも展開しています。

岩田 仙台にある物流センターは津波の被害を受けたのですが、地元の雇用を守るため、8カ月ほどで同じ場所に再建しました。また、被災地の子供たちが描く絵を商品化し、アート使用料として商品金額の3%をNPO「子供地球基金」に支払う「ASKUL Kodomo Art Project」をスタートしました。現在までの累計で、金額は3800万円に達しています。当社は、寄付ではなく、絵をデザインとして利用する対価として支払い、その商品をお客様に購入していただくことで、本業をベースとする持続可能な仕組みとして続けています。

 さらにはメーカーと共同で、対象商品の売り上げの1%分を東北の高校に支援する取り組みも展開しています。農業高校にトラクターを贈るなど、各学校で必要とするものを提供してきました。こちらもお客様に商品を買っていただくことで持続可能な仕組みが生まれ、金額は累計で8400万円になっています。

社員に浸透する創業の理念

――取り組みのベースとなる考え方は、社員に浸透しているのでしょうか。

岩田 会社の玄関にアフガニスタンの子供たちから届いた刺繍(ししゅう)作品が飾ってあります。これは、アフガニスタンにランドセルを贈るNGOのプロジェクトに参画した際、ランドセルにお客様から当社に返品されたノートや文具を詰めて贈った活動に対する返礼です。プロジェクトへ参加し、文具を贈る活動は社員の提案で始まりました。本業の仕組みで社会課題に取り組む、といった考えは社員にも浸透していると思います。

――こうした考え方や活動を、投資家や社会に向けて発信するにあたり、力を入れていることはありますか。

岩田 2018年、3回目となる「環境フォーラム」を開催しました。2016年の第1回では、2030年までに事業所から排出するCO2と配送にかかわるCO2をゼロにする「2030年CO2ゼロチャレンジ」を発表し、翌年の第2回では日本初となる「RE100」「EV100」両方への参加を発表しました。気候変動や地球環境の課題に対して率先して取り組まなければならない。環境フォーラムは、その思いや実際の活動をお取引先やお客様と共有し、アクションにつなげる機会として継続しています。

 情報開示については、とにかく開示できるものはしようということで、項目のチェックを進めています。見ていただけるものはすべて見ていただこうと考えています。それは社会に対する情報開示も同様ですので、今後も積極的に進めていきます。