本業がESGやSDGsに直結
――社会課題に本業で挑戦する具体例を教えてください。
曽禰 経済産業省のデマンドレスポンスを利用したバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業に2016年度から採用されています。
環境問題と電力の安定供給の課題を考え合わせたとき、再生可能エネルギーは地球環境面ではプラスですが、安定性の面では難しい部分もある。再生可能エネルギーを使いながら、BEMS(ビルエネルギー管理システム)を使った遠隔制御技術と、多彩なエネルギーリソースを活用した自動制御システムを組み合わせて電力系統の不安定化リスクを小さくするのがVPPです。
2017年の大寒波の際は実証実験ではなく実契約の中で電力削減の指令を受け、厳しいタイミングでの電力削減とその後の復旧を無事に実施しました。非常時に役立つということは、平常時にも使える可能性があるという点で、今後もVPPには注力していきます。
――ESG/SDGs経営をどのように考えていますか。
曽禰 様々な社会課題の解決に向けて計測と制御を基にした技術とサービスを幅広い業態のお客様に提供をしています。お客様の課題には社会課題が投影されているわけですから、実は社会課題に取り組んでいることになるでしょう。
そもそもSDGsに代表される社会課題は1年程度で解決できるものではありません。課題に長期にわたって取り組み、価値を出していく当社の企業体質、事業形態自体が、ESGやSDGs、サステナビリティ経営に直結していると考えます。
SDGsは会社の方向性を常に確認するための羅針盤になります。ですから理念ブックと同様、悩んだときに立ち止まって確認し、さらに前へ進むための整理に活用できれば素晴らしいのではないかと思います。