聞き手/酒井 綱一郎(前・日経BP社取締役副社長)

技術と金融の融合をベースに、安心で安全、持続可能なまちづくりを目指す日本アジアグループ。他社に先駆け参入した太陽光発電をはじめ、イノベーティブな視点から社会課題の解決に取り組む。

――SDGs、ESGの観点で最も力を入れていることは何ですか。

呉文繍(ウー・ウェン・ショウ)
日本アジアグループ 取締役
1998年Japan Asia Holdings Limitedを共同創業。グループ主要会社の代表取締役社長などを経て、2013年より日本アジアグループ取締役兼国際航業代表取締役会長(現任)。国連国際防災戦略事務局(UNISDR)の民間セクターグループの議長を2013年から2015年まで務め、現在はUNISDR ARISE理事。2018年国連グローバル・コンパクト・ボードのボードメンバーに就任(写真:川田 雅宏)

呉 文繍 氏(以下、敬称略) 経営理念は、「安心で安全、そして持続可能なまちづくりで社会に貢献」ですが、これそのものがSDGsの目指す姿に合致すると考えています。

 当社グループが香港で創業したのは1998年のアジア金融危機直後でした。その経験から、金融のプロ集団として社会課題に対してどのような解決策を提供できるか、という思いで会社がスタートしました。ですから、社会課題の解決への貢献こそが最も力を入れていることだといえます。

 社会への貢献にあたっては、企業だからこそ担える役割があります。それが、本業を通じて持続的な解決策を提供し、SDGsをはじめとする世界共通の目標を達成していくことです。

――現在、取り組んでいる事業について教えてください。

「空間情報事業」「グリーンエネルギー事業」「森林活性化事業」の3つが柱です。

 国際航業は長年にわたり空間情報技術を社会インフラや防災などに活かしてきた会社ですが、当社が2006年に国際航業の筆頭株主となることで、同社の技術と当社の金融ノウハウが融合し、グリーンエネルギー、森林活性化という新事業にもつながりました。

 2009年に太陽光発電事業などに本格参入したグリーンエネルギー事業については、エネルギーという社会課題の解決に向けイノベーティブで大胆なアプローチが必要だと考えました。2011年、国内では電力事業者以外で初となるメガソーラー施設を宮崎県に完成させています。

 森林活性化事業は2016年から本格的に手がけています。国際航業の有する高度な航空レーザー測量技術を活用したスマート林業の展開により、世界有数の森林国である日本の森林と林業の活性化に役立ちたいと考えました。

 当社グループには技術力と金融力があり、再生可能エネルギーの知見もあり、さらに途上国の森林を保全するREDD+事業にも取り組んでいる実績から、環境保護や資源としての価値に加えて減災対策の観点からも森林に注目し、同事業をスタートしました。