技術と金融を融合推進

――各事業の具体的な取り組みをいくつかご紹介ください。

グリーンエネルギーは代表的な取り組みです。2018年12月期時点で、太陽光発電所開発は全国80カ所、稼働出力の合計は174MWを超えています。2014年に東京都官民連携再生可能エネルギーファンドの運営事業者に選定されましたが、これは「技術と金融の融合」が具現化した事例といえます。このほか地域の新電力事業にも力を入れており、2018年11月には徳島県東みよし町と共同で地産地消を目指し売電事業を行う会社を設立しました。

 空間情報事業ではセンシングなどの技術を活かし、津波の浸水による被害推定をリアルタイムに行うシステム、ドローンを用いた火山噴火時の土石流予測システム、人工衛星やドローンの画像から情報を読み取り農作物の生育状況診断に活かすクラウド型営農支援サービス「天晴れ」が挙げられます。

 森林活性化事業では、森林の保有と適切な維持管理から、素材生産、製材加工、木材活用事業、そしてバイオマス発電の推進に至るまで森林・林業バリューチェーンの構築を目指したトータルな取り組みをしています。

■ 日本アジアグループの戦略・方向性
日本アジアグループ(JAG)内において、国際航業(KKC)は「適応(Adaptation)策」を中心に、JAG国際エナジー(JKE)やJAGフォレストは「緩和(Mitigation)策」に資する事業をつくりあげてきた。包括的な気候変動対策事業を繰り広げる
(出所:日本アジアグループ)
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――今後、ESGやSDGsを推進する上でどのような取り組みをしていきたいと考えていますか。

SDGsにしてもESGや防災・減災にしても、やはりグローバルでの連携が必要だと思います。ただ、連携はグローバルですが、実際のアクションはローカルが重要です。意欲ある当社の社員を送り入れ、当社の理念と合うパートナーを地球環境や持続可能性に資する地域密着「草の根」の事業を展開していきます。

――呉さんご自身は国連グローバル・コンパクト・ボードのボードメンバーに就任されるなど、SDGs推進の国際的なリーダーですが、日本企業の取り組みをどう評価していますか。

日本企業はもともと社会的責任を重んじており、SDGsができてからは意識がさらに高くなったと感じています。それは素晴らしいことですが、自社の社会的責任を果たすというところにとどまりがちな点が気になります。世界共通の課題であるSDGsの達成に向けては、アウトサイド・インの考え方に基づいてイノベーティブに取り組み、世界を変えていく原動力になってほしいと期待しています。