――ESG/SDGs的な観点で製品・サービスにおけるイノベーションの事例を教えてください。

藤井 「世の中のため」という視点から生まれた新しい商品としては、ドライブレコーダー付き自動車保険があります。万一の時に事故の状況が記録されることに加え、高齢者の逆走やあおり運転などの社会的課題解決に資する商品として販売しています。加えて、テレマティクス技術の活用により、事故でドライバー自身が連絡できない時に当社側から連絡を入れる。すると命が助かる可能性が高まるわけです。事故が起きた際の補償はもちろん、起きてしまった後の安心もサポートするという点で、これまでにない保険商品だと考えています。

 グループ社員を対象に2018年に「サステナビリティコンテスト」という仕組みをスタートしました。これは社員それぞれの仕事がSDGsのどの目標に貢献できるか考えてもらい、つながるものがあれば応募を促すものです。最優秀賞を受賞したのは三井住友海上・北海道支店の取り組みで、世の中のためになるアイデアを持ち寄る空想会議という仕掛けを実施したところ、病院経営や牧場経営の分野で画期的な提案が出され、その結果、成績も上がるようになったという事例です。

――情報開示や投資家との対話はどのように進めていますか。

藤井 統合レポートは投資家を含めた全ステークホルダーに会社の取り組みを正しく伝える目的に加え、社員や代理店に伝えることも重要との思いで作っています。リスク開示についても、2018年の統合レポートに世界の自然災害マップを掲載し、当社グループでお支払いした保険金を分かりやすい形で開示しています。投資家との対話については、基本的に投資家のニーズに合わせてお話をしますが、最近はESG/SDGsの話題が出る機会も増えています。

――ESG経営やサステナビリティ経営の未来についてお聞かせください。

藤井 経営層、社員も含めて道筋は皆ある程度理解しています。こうした取り組みはどこまでいっても終わりがない。お客様の声に真摯に対応し、お客様が喜んでくれてよかった、仕事をしていてよかったという思いを大切にしたいと考えています。

 様々な施策を続けているものの、まだまだ道半ば。社員が世の中のためになる取り組みを自然に始める会社になることを目指していきたいと思います。