障がい者を積極的に雇用

――新設のリサイクル施設では障がい者を積極的に雇用し、雇用数も大幅に増えています。雇用の現状と今後の取り組みについてお聞かせください。

井上 2015年に稼働開始した寄居Eスペースは、寄居エコスペースに隣接するリユース・リサイクル施設で、スペースに余裕もあり、障がい者の方も安心して働けます。ここではジュピターテレコム(JCOM)の特例子会社「ジェイコムハート」と当社の特例子会社「エコ計画フレンズ」が連携し、合計約40人の障がい者を雇用。JCOMから回収した使用済み電子機器を手作業で分解し、質の高いリサイクルをしています。恵まれた職場環境ということで周辺自治体からの見学も相次ぎ、今後はさらなる体制拡充を図り、様々な企業と連携しながら障がい者雇用を進めていく考えです。

森林を軸に環境保護で連携

――広大な社有林を保有しています。森林事業はどのような観点で進めていますか。

井上 社主が山好きだったことに加え、森林保護、企業ブランディングの観点もあり、2008年に群馬県高崎市の森林約1000haを購入して「エコ計画の森林」と名づけました。

 その後、森林の総合評価とCO2吸収量(クレジット)の算定・売買を行う一般社団法人フォレストック協会から、天然林と生物多様性が高い評価を受け、2012年にフォレストック認定を取得しました。関東では、東京電力ホールディングスさんが所有する尾瀬の森に続く第2号の認定です。同協会を通じてCO2クレジットの販売も行うようになり、約30社に購入いただいています。最も多く購入いただいているJCOMは、「JCOM電力」や物流で発生するCO2をクレジットでオフセットする取り組みを展開しており、「グリーン物流」パートナーとしてJCOMと当社双方のブランディングや企業価値向上に役立っています。

■ 「エコ計画の森林」のCO2吸収量クレジット活用
写真左から3点はエコ計画が群馬県高崎市に所有する「エコ計画の森林」、写真右はフォレストック協会の認定証
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■ 活用事例の仕組み:JCOMのグリーン物流への取り組み
JCOMでは、フォレストック協会認定「エコ計画の森林」のCO2吸収量クレジット500tを活用し、廃棄端末回収運搬時に排出するCO2年間約100tを5年間埋め合わせてゼロとする
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――その森林に加えて、最終処分場が立地している群馬県では温泉旅館も経営されています。この事業をどのように位置づけていますか。

井上 1981年から群馬県渋川市では当社の最終処分場が稼働しています。その処分場が立地する地元、群馬県への地域貢献として茅葺きの古民家を移築した温泉旅館を、東吾妻町の薬師温泉と川場村の川場温泉で1軒ずつ経営しています。前者は1999年、後者は2010年にオープンしました。

 いずれも日本文化の保存という目的に加えて、お客様には古民家に宿泊することで日本の原風景と出会い、当社所有の農業生産法人で作った地元食材を味わっていただけます。そのほか、伊香保では30年ほど前から食事処も経営しています。

 廃棄物処理はどうしても負のイメージがありますが、一方で日本文化の保存はプラスのイメージになります。その意味で、企業ブランディングにもつながります。観光客の呼び込みによる地域活性化はもちろんのこと、地元の方々を雇用しているので、様々な面で地域貢献ができていると考えています。また、両旅館と食事処は財務省・外務省からDS「在日外国公館免税指定店」の承認を受けており、最近はアジアの富裕層をはじめ各国からの旅行者も増えています。

 当社としては旅館業を営みたいわけではなく、あくまで本業のブランディングとして経営しているのですが、おかげさまで地域の方にもお客様にも好評で、事業を通じた「環境」と「地域貢献」の循環がうまく回っていると感じています。