――「シティラボ東京」では具体的にどのような取り組みをしていくのでしょうか。

福居 いま世界では急速に都市化が進んでいます。様々な環境課題に効率的に対処するためにも、都市での環境対策が重要になります。従来のように環境対策を国・行政主導のものと捉えるだけでなく、ビジネスとしても考え、イノベーティブなアイデアや技術を社会に実装していくことが必要だと考えました。

 「シティラボ東京」は持続可能な都市形成に向けたビジネス創出やアイデア創造、地域課題解決を促すオープンイノベーション・プラットフォームの役割を担います。SDGsの17目標のうち9つを重点項目と位置付け、サステナビリティに関する幅広い活動を行います。

 まちづくりからサステナビリティイノベーションまで、幅広い最先端の知見・情報を提供するとともに、コワーキングスペース、カンファレンスルームといった拠点としての場所提供とそこへ集まってくる方たちのコミュニティ形成、さらには事業創出もサポートします。

■ シティラボ東京の事業領域と提供する3つのプログラム群
■ シティラボ東京の事業領域と提供する3つのプログラム群
SDGsの17目標のうち、持続可能な都市形成に関連する9つを重点項目と位置付け、周辺8項目との掛け合わせを行い、幅広い活動を展開する
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サステナビリティの聖地に

――ビル事業をESGやSDGsに結びつけてどう展開していくのでしょうか。

福居 近年竣工したビルでいうと、大手町タワーは「大手町の森」という緑化空間を設けて都心における生物多様性を再現しましたし、中野セントラルパークも「緑の中で働くオフィス」というコンセプトを実現しました。また、東京スクエアガーデンでも、低CO2を追求したことに加えて、緑が少ない都心の一等地・中央通りに面して「京橋の丘」という立体的な緑を配置しました。このように、ビル事業でも環境に対して積極的に配慮した取り組みを行っています。

 環境負荷の軽減については、ビル事業、まちづくりを行う会社として真摯に向き合っていかなければなりません。社会の公器である企業が、社会の要請に対して無回答・無責任でいるわけにはいかなくなっているのです。

――その中で「シティラボ東京」の位置付けを教えてください。

福居 環境はビジネスにならないと言われてきました。しかし社会が変化し、企業も個人も環境への意識が変わり、ひとつのビジネスマーケットになる時代が訪れつつあります。まちづくりはまさに当社の本業。都市を環境問題解決の場ととらえ、環境対策がビジネスとしてサステナブルに育っていくためにも、「シティラボ東京」がイノベーションと事業創出の聖地になればうれしいですね。