容器の軽量化で1万t削減

 2050年に事業活動から排出するCO2を実質ゼロにする目標を掲げるアサヒグループホールディングスは、サプライヤー(調達先)を巻き込んで対策を進める。

 「CO2ゼロ」の目標は、自社の工場やオフィスビルなどから排出する分だけでなく、原材料の生産や容器の製造、商品の配送といったバリューチェーン全体で達成を目指している。社外で排出するCO2のうち、缶やペットボトルといった容器などの製造時が最も多く4割を占める。

 グループのアサヒビールは製缶会社4社と共同で、従来と比べて重さを7%軽くしたビール類向けのアルミ缶(350ml)を開発した。全8工場で約6億円の設備投資を実施。2019年6月をめどに新開発の缶に切り替える。軽量化によって材料の使用量が少なくなるため、コストと製造時のCO2排出量を減らせる。1年間の販売量で換算するとCO2削減効果は1万1000tに達する。

アサヒビールはビール類向けのアルミ缶(350ml)を7%軽量化した。これにより製造時のCO2排出量を年間1万1000t削減できる見込みだ

 アサヒビール生産本部調達部ビール・RTD資材グループ担当部長の森雅年氏は、「当社と開発した缶だが、製缶会社は別の飲料メーカーにも供給できる汎用品扱いにしている。製缶会社がメーカーごとに缶を作り分けずに済むので安定供給につながる」と言う。

 パリ協定の実施ルールが決まり、「脱炭素」へ向けた温暖化対策は実行段階に移る。気候変動による事業への影響を開示するよう求める気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応もあり、企業の取り組みが加速するのは間違いない。