2019年は最大のチャンス

――日本企業は強制労働にどこから取り組んだらよいか。

ベンゲレ 味の素や資生堂、花王、イオンなど既に取り組んでいるが、どこから何を調達するかで異なる。まずCGFの3つの優先的原則を社内の行動規範に統合し、人事や購買の部門を巻き込むことだ。ワークショップに参加して情報交換するのもよい。長期的コミットメントが必要になるため、CEOは社内で取り組むチームをサポートしてほしい。

 2019年は日本が強制労働対策に取り組む最適の時期だ。G20(20カ国・地域)首脳会議が開かれ、政府が「ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)」の草案を作り始めている。東京五輪を控えて各社のCEOも強制労働対策をサポートしやすい。

 CGFも2019年は日本にフォーカスする。水産物の主要な生産国・消費国であり、パーム油も100%輸入で賄っている。強制労働リスクがあるエレクトロニクス、魚、衣服、カカオ、木材など470億ドルを調達している。外国人労働者の雇用手数料の問題もある。

■ 日本への輸入品で強制労働の懸念のある上位5製品
出所:CGFの資料を基に作成

 2018年のG20では「持続可能なサプライチェーンの促進などを通し、児童労働、強制労働、人身売買、現代奴隷を撲滅する行動をとる」ことが首脳宣言に盛り込まれた。ユニリーバや、G20ビジネスサミット(B20)、ILOが、この文言が盛り込まれるよう当局に何度も要請した。日本でも2019年のG20で、意欲的な合意内容が盛り込まれることを期待している。