相馬 隆宏

収量の減少など、気候変動がコーヒーの生産に影響を及ぼしている。米スターバックスは、農家の支援や生産地の多様化を進め、安定調達を確保する。

日本限定発売のコーヒー
(写真:スターバックス コーヒー ジャパン)
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 スターバックス コーヒー ジャパンは2019年2月、3つの品種が味わえるコーヒーを日本限定で発売した。原料を生産しているのは、中米のエルサルバドルにあるモンテカルロス農園だ。もともと火山だった標高1000〜1800mという高地にある。農園主のカルロス・バトラス氏は、「1つの農園から3つの品種のコーヒーを同時に提供するのは初めて。コーヒーもワインのように品種を楽しむ時代になるだろう」と話す。

モンテカルロス農園
(写真:スターバックス コーヒー ジャパン)

 焙煎機を備えた高級店が人気を博すなど、コーヒービジネスが広がりを見せる一方で原料の生産が危機に直面している。2019年1月には、気候変動などによって、世界のコーヒー種の約6割が絶滅の危機に瀕しているという研究結果も発表された。

 モンテカルロス農園でも、日陰を作るための木を植えたり、「サビ病」を防ぐために薬品を使ったりと対策にコストがかかっている。「スターバックスは生産者に正当な対価を払ってくれるので高い品質を維持できる」(バトラス氏)。

 スターバックスは、NGOのコンサベーション・インターナショナルと共同で「C.A.F.E.プラクティス」と呼ぶ購買ガイドラインを開発。これによって、原料を品質に見合う価格で購入する他、環境保護や労働環境の改善など、生産者を支援する。原料の安定調達を確保するため、生産地の多様化も進めている。コーヒーのバイヤーを務めるスターバックス コーヒー トレーディング カンパニーのエリオット・ベンゼン氏は、「未来のコーヒーを担保するには今、行動する必要がある」と言う。

 企業の持続的成長へ、調達戦略の重要性が増している。

カルロス・バトラス氏(中央)とエリオット・ベンゼン氏(同左)
(写真:スターバックス コーヒー ジャパン)