相馬 隆宏

日用品や飲料のプラスチック製容器に再生材を使う動きが加速している。ユニリーバは2020年末までに全てのペット容器を100%再生材に切り替える。

 英蘭ユニリーバの日本法人ユニリーバ・ジャパン(東京都目黒区)は2019年8月から、再生プラスチックを最大95%使った容器を採用する。まず、「ラックス」「ダヴ」「クリア」の主力3ブランドから着手する。2020年末までには、ペット(ポリエチレンテレフタレート)素材の容器を全て100%再生プラスチックに切り替える。2010年から取り組んできた環境行動計画「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)」の一環である。

ユニリーバ・ジャパンは、2019年8月以降に発売する新製品から、順次、再生材を最大95%使用した容器に切り替える(右写真)
(写真:ユニリーバ・ジャパン)

再生材の争奪戦が過熱

 ユニリーバは2017年1月にUSLPの新目標として、「プラスチック製容器をリサイクル・リユースできるものか、堆肥化できるものにする」「使用するプラスチックの25%以上を再生プラスチックにする」ことを2025年までに達成すると宣言した。既に海外では、一部のブランドで100%再生プラスチックを使った容器を採用している。2019年1月には、「ループ」と呼ぶイニシアチブに参画し、容器をリユース(再使用)する商品の通販にも乗り出した。

 今回、国内で使用する再生ペット素材は、資源の争奪戦が過熱している。ペットボトル飲料を製造・販売する大手メーカーがこぞって、再生ペットボトルの使用を大幅に増やす目標を打ち出しているからだ。

 そうした中、ユニリーバは、「原料メーカーの協力もあり、向こう3年間必要な量は確保できている」(ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングの中川晋太郎氏)と言う。年間でペットボトル約5200万本に相当する量を安定的に購入することでメーカーと合意した。

 再生材の使用でコストは数%上がるが、「サステナブルな社会をつくることが、ユニリーバと市場がサステナブルに成長するために必要だ」(同社の髙橋康巳社長兼CEO)と判断した。

 実はもう一つ、100%再生材に切り替える上で取り組んだことがある。容器のプラスチック使用量削減だ。来春から、プラスチック使用量を従来比24%削減した容器を投入する。これによって、再生材のコスト増を一部吸収できる。

 2019年6月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、2050年までにプラスチックごみによる新たな海洋汚染をゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」に合意した。日用品メーカーや飲料メーカーを中心に、再生材のニーズが今後、さらに膨らむ見込みだ。プラスチックごみの回収・再利用に商機がある。