市嶋 洋平/シリコンバレー支局

米ナイキはほぼすべての材料を廃棄物、から再生した原料で作ったシューズを開発した。気候変動がスポーツイベントや選手に与える影響に対処する姿勢を明確にしたものだ。

 ナイキがこの春にも投入する環境配慮のシューズ「スペース ヒッピー」が目指したのは、「製造過程での炭素排出量が過去最低のシューズ」(ノエル・キンダー チーフ サステナビリティ オフィサー)である。ただし、「既に炭素排出量を相当減らしているので、素材の根本から考え直す必要があった」(同)

 工場の床に落ちた繊維などの廃棄物、ナイキのシューズやTシャツのリサイクル素材などを活用している。いわばほとんどゴミになる素材をよみがえらせて作ったシューズだ。全体の約9割が再生素材である。

 アッパーは「宇宙ゴミの糸」と呼ぶ100%再生素材のニットで作っている。具体的には25%が回収したTシャツの繊維、25%が工場の床に落ちた糸くずなどの繊維廃棄物、50%がリサイクルのポリエステルである。ニットの色あいは利用する糸くずやシャツなどによって微妙に変わるという。あえて染料を加えていない。

 シューズのクッションとなるフォーム部分は、厚底の高速ランニングシューズ「ヴェイパーフライ 4%」などの生産過程で出たフォームの廃材を再生。製造過程での炭素排出量を従来のほぼ半分に抑えたという。

 靴底のソール部分は通常の材料に、シューズを砕いた再生ラバー素材を混ぜている。ソールの中にさまざまな色のアクセントが入り、シューズごとに異なる模様となる。

スペース ヒッピー。工場の床などに廃棄されるスクラップを「宇宙ゴミ」ととらえデザインしたという
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ソールにシューズの廃材料などを混ぜて、新たな材料を節約した
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