今回、業務継続に有効な手段となったのがリモートワークだ。しかし調査では、「問題なくリモートワークをしている」と答えた企業は36%にとどまり、「アクセスできないデータやアプリケーションがあり、支障がある」と答えた企業が52%で最も多かった。
遠隔地から社内ネットワークにアクセスするVPN(仮想私設網)を整備している企業でも、利用できる社員やアクセスできるシステムを制限しているケースが多い。緊急時にアクセス権限を柔軟に切り替えられるシステムが望ましい。
工場やコールセンターなど、設備に依存する拠点の操業状況はどうか。「平常通り操業している」と答えた企業は37%だった。地方からの出稼ぎ労働者を多く雇う大都市圏の工場ほど、再開が見通しにくい状況にある。
今回の状況を踏まえ、中国への投資や体制を見直すかどうかも聞いている。「以前より見直しを行う予定だった」と「見直しを検討する予定」と答えた企業を合わせると18%だった。
中国に対する依存度が高まる中、早急に拠点を移すのは難しいかもしれない。しかし今回、中国依存のリスクが顕在化した。経営者は、今回の影響を見極め、「中国リスク」に備える戦略の練り直しが求められる。