藤田 香

2019年のCDP気候変動、水セキュリティ、森林の結果が発表された。日本企業はTCFDへの対応が浸透し、気候変動では躍進したが、森林は低迷した。

 CDPは2020年1月から4月にかけて、気候変動、水セキュリティ、森林への企業の取り組みを採点した19年の結果を発表した。気候変動では過去最高の38社が最高評価のAリストに選ばれ、国別の数で1位になった。水セキュリティでAを得たのは23社と19年の8社から急増。森林のA評価は1社にとどまった。

2020年1月20日に開催されたCDP気候変動の報告会。住友林業の市川晃会長や丸井グループの青井浩社長、花王のデイブ・マンツ執行役員などが登壇し、取り組みを報告した

 CDPは機関投資家の依頼を受けて企業に質問書を送り、回答を採点するプロジェクト。19年に賛同した投資家は約530機関、運用資産総額は約95兆7000億ドルに上り、採点結果が投資判断に活用される。

 質問の変化で投資家の関心が分かる。18年から質問はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに沿うように変わり、19年は水セキュリティで、気候シナリオに伴う水リスクへの対応策が設問に加わった。例えば4°Cシナリオのような気温上昇の場合、洪水や水不足の頻度が高まり、生産設備への被害も甚大になる。その対応を聞く。

 フォレストでは、新たに金属・鉱業セクターに対し生物多様性維持の質問が設けられた。採掘で森林破壊を引き起こすリスクがあるからだ。

■ CDP気候変動のAリストの国別企業数
日本のAリストが38社と世界一になった。TCFDに基づく開示やSBT認定の取得などが進んだことが一因だ