馬場 未希

新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークの導入が進んだ。各社の調査から、導入の実態や課題が見えてきた。

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言による外出自粛や休業要請で、仕事のやり方は変更を余儀なくされた。2020年4月から5月にかけて、仕事への影響や今後の見通しに関する調査結果の発表が続いた。

 PwC Japanグループは20年4月28日、日本など24カ国・地域で871人のCFO(最高財務責任者)を対象に4月20日の週に実施した「新型コロナウイルス感染症対応に関するCFOパルスサーベイ」の結果を発表した。

 日本のCFOの57%がコロナ収束後の3〜6カ月以内に通常業務に戻れると答えた。4月6日の週に実施した前回の調査で6〜12カ月かかると答えた回答者(29%)が見通しを早めたと推察され、事業の本格的な再開に前向きになっている。ただし、グローバルではCFOの49%が3カ月以内に通常業務に戻ると答えた。日本の慎重な姿勢がうかがえる。

■ 感染収束後、事業が通常に戻るのにどれくらいの時間がかかると思いますか
出所:PwCグループ「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応に関するCFOパルスサーベイ」
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 業務再開に当たって検討することとして、日本のCFOの71%がオートメーション化や、密閉、密集、密接を避ける新しい働き方の促進を挙げた。また50%が「リモートワーク(テレワーク)を恒久的な働き方の選択肢として導入」も検討するという。

■ 職場での業務復帰が始まったら次のうちどれを実施しますか
出所:PwCグループ「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応に関するCFOパルスサーベイ」
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 外出の自粛要請に従い、世界で急速にテレワークの導入が進んだ。だが、課題もありそうだ。NTTデータ経営研究所などが20年4月7〜10日に全国の企業の1158人の正社員(経営者、役員を含む)に対し実施した「緊急調査:パンデミック(新型コロナウイルス対策)と働き方に関する調査」によると、「ほぼ毎日テレワークを実施」と答えた人は31.6%、週3〜4回以上実施した人は51.2%だった。テレワークを「継続したい」との回答は52.8%だった。

 テレワークを継続したい理由として79.9%が「勤務や移動の時間を削減できる」と回答した。一方、「継続したくない」という回答者の40.6%が「できる仕事の限界がある」、40%が「上司・部下・同僚とコミュニケーションが取りにくい」、また34.8%が「社内の情報を確認しづらい」と答えた。従業員同士の意思疎通や、情報の交換や閲覧など、テレワークを推進しやすい体制の確立に課題のあることがうかがえる。

■ 従業員がテレワークを継続したいと考える理由
出所:NTTデータ経営研究所、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション「緊急調査:パンデミック(新型コロナウイルス対策)と働き方に関する調査」
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■ 従業員がテレワークを継続したくないと考える理由
出所:NTTデータ経営研究所、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション「緊急調査:パンデミック(新型コロナウイルス対策)と働き方に関する調査」
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