高木 邦子

大手生保が新型コロナ対策を支援する「コロナ債」に積極投資している。世界的な低金利の中で、社会的意義を背景にした債券の価値が高まっている。

 大手生命保険会社によるコロナ債への投資が相次いでいる。ここでいうコロナ債とは、新型コロナウイルス感染症対策支援を目的としたソーシャルボンドである。

 口火を切ったのは日本生命保険。2020年4月10日に、国際金融公社(IFC)が発行するコロナ債に約131億円を投資した。次いで第一生命保険が、アジア開発銀行(ADB)と国際復興開発銀行(IBRD)にそれぞれ約100億円、約104億円を投資。さらに5月半ば以降、かんぽ生命保険が欧州投資銀行(EIB)、米州開発銀行(IDB)に対して、合計500億円に迫る大型投資を行った。

 その後も、住友生命保険、大同生命保険、三井住友海上あいおい生命保険、明治安田生命保険が投資を公表している(下の表)。

■ 生命保険会社が投資した主なコロナ債
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 20年に入ってから世界のソーシャルボンドの発行額は大きく伸びている(下のグラフ)。20年上半期は、世界で530億ドルを超えるソーシャルボンドが発行され、調達された資金の多くがコロナ対策支援に投じられた。サステナブル関連ボンド全体に占める比率も、19年の5.1%から30.2%へと大幅に伸びている。

■ 2020年の上半期だけで前年比約4倍のソーシャルボンドが発行
20年上半期は、主に新型コロナ対策支援を目的に530億ドルを超えるソーシャルボンドが発行され、サステナブル関連ボンド全体に占める比率が19年の5.1%から30.2%へと大幅に伸びた
(出所:ブルームバーグのデータを基にBNPパリバ作成)
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 「コロナ債の発行に追い風が吹いているのは、金融市場の混乱期にもサステナブル関連ボンドのパフォーマンスは安定していたという証左が出始めていることが大きい」と、BNPパリバ証券チーフESGストラテジストの中空麻奈氏は分析する。