食品残さを9割減量

 生産から販売、廃棄までサプライチェーン全体で取り組みが活発になっている中、需要を精緻に予測して売れ残りを防ぐ取り組みも進む。

 NECは7月から、AI(人工知能)を活用して需給を最適化するIoT(モノのインターネット)のサービスを提供する。メーカー、卸、小売りの間で情報を共有し、発注のし過ぎや作り過ぎを防ぐ。例えば小売り業向けに、来店客数の予測や、カテゴリーあるいは単品での販売予測、推奨発注量の提案といったサービスを提供する予定だ。

 努力をした末に出てしまった食品ロスに対しては、減量や再利用によって廃棄物の量を減らすことが重要になる。

 アサヒグループホールディングス傘下のアサヒカルピスウェルネスと、環境関連事業を手掛けるメリーズ・ジャパン(千葉県松戸市)は、食品残さを堆肥化する事業を展開する。野菜くずなどを装置に入れて堆肥化する過程で、アサヒカルピスウェルネスの堆肥化促進剤「サーベリックス」を投入することで9割減量できる。従来、焼却処分していた食品廃棄物を大幅に減らせる上、この堆肥を使うと野菜の収量増加が期待できるという。

 サーベリックスは乳酸菌や腸内細菌の研究から生み出されたもので、微生物の発酵技術によって有機物の分解を促進する効果がある。食品工場や卸売市場、外食チェーンなどで導入が進んでおり、2014年から2017年にかけて売り上げが3倍に伸びた。

アサヒカルピスウェルネスが開発した堆肥化促進剤「サーベリックス」(左上)。枯草菌という微生物の発酵技術によって有機物の分解を促進する。これを利用して作った堆肥を使うと野菜の収量が増えるという

 SDGs(持続可能な開発目標)では、2030年までに小売り・消費段階で1人当たりの食品廃棄物を半減させ、サプライチェーンでの食品ロスを減らす目標を掲げる。SDGsの貢献にもつながる食品ロス対策は、今後さらに加速しそうだ。