家中のデータを集める
IoTの技術を使って集めたデータを商品やサービスの開発につなげる動きが盛んになっている。住宅から生活者の情報を集めるのが、パナソニックとダイキン工業だ。
パナソニックは10月、住宅にある家電などを遠隔制御するための中核機器となるHEMS(住宅エネルギー管理システム)の新製品「AiSEG2」を発売した。「共働き」「高齢化」「猛暑」「省CO2」の4つの社会課題に起因する、生活者の悩み事を解決する機能が売りである。
例えば、共働きで忙しい家庭向けの機能。スマートフォン(スマホ)のGPS(全地球測位システム)で在宅/不在を検知し、照明や空調をつけっぱなしで外出した場合、スマホに通知して消し忘れを防ぐ。
ダイキン工業が11月に発売した新型空調「うるさら7(Rシリーズ)」は、部屋の温度や湿度、壁の温度をセンサーで検知するとともに、人の体感温度を考慮に入れて快適な室内環境を提供する。人は部屋が暑かったり寒かったりすると空調の設定温度を切り替えることから、リモコンの操作回数を基に人が快適に感じているかどうかをAIが判断する。
2018年の夏は記録的な猛暑となり、室内で熱中症になる人が多発した。ダイキン工業は、住人の健康管理や見守りといったサービスへの展開も検討するという。
データの収集・分析力が企業の競争力を左右する中、ネットワークに侵入されてデータを盗まれたり、不正な操作をされたりしないようにする必要がある。投資家も注視しているサイバーセキュリティー対策が重要になっている。
