ルールの裏をかこうとする人は必ず出てくる

 まず、法的な検討をしておこう。

 顧客にサービス内容をしっかりと説明し、納得してもらったうえで、既存サービスに加え新規サービスに加入してもらう。または既存サービスを解約して新規サービスに加入するのであれば法的には問題はない。しかし、現実には、以下のようなことが起こりうる。

・顧客に嘘のサービス内容を話して新規の契約を獲得する、不利益になることを隠して契約をさせるなど「不実告知、不利益隠蔽」等(消費者契約法)の可能性のある行為
・顧客に無断で申込書を作ってハンコを押して新規加入の手続きをしてしまう「私文書偽造」(刑法)の可能性のある行為。

などである。

 次に組織の問題を考えてみよう。

 会社が窮地に追い込まれつつあるときに、起死回生の策として思い切った経営施策を取ることがある。そのような場合には、
・本部が先に数的目標を決め
・あまり現場の声を聞かずに本部主導で重要な施策の導入を決定し
・インセンティブ(販売奨励金)やペナルティ(左遷をにおわすなど)で組織と人を動かそうとする

といった方法がとられる。現場主導では進展がないので、本部主導でピンチを打開しようという作戦だ。

 しかしながら、現場の状況をしっかり把握せず、また従業員の思考行動メカニズムを十分に理解しないままにルールを決めると、組織と人は間違った方向に走り出してしまい、違法行為すら引き起こしてしまうことがある。それは避けねばならない。

 ただし、現場のことを深く理解している人がルール設定を行ったとしても、完璧なルールを作り上げることは不可能だ。ルールにはかならず裏が存在し、その裏をかこうとする人が出てくるからだ。