女性が日本型の「誰でも階段」を上り続けるうえでは、家事や育児を一人で抱え込むことは厳禁。配偶者と分担し、ベビーシッターなど外部のサービスも大いに使うべきだ。公的補助も使えばコストはかなり安い。階段から下りずに、キャリアの暴風雨期を乗り切る策を練ろう。

(写真:123RF)

 前回「キャリアを目指すなら、子供がいてもしっかり働け!」と書きました。短時間社員でも昇進させてもらう、というのはダメだと。そのためには、女性だけが家事・育児をやるのではなく、旦那さんと分担し、そのうえでメイドやシッターという外注も使うべき、というのが私の考えです。

坂道を上るしかない日本の問題

 前回は詳しく書きましたが、世界中どこを見渡しても、「短時間勤務なのに」昇進している人はほとんどいません。

 育休をしっかり取り、短時間勤務期間も長くして、ゆったり働きたいなら、昇進など諦めるコースに行くのが世界の常識となります。ただ、日本はこうした「ゆったりコース」の設計がない。その点については「ミドルのキャリア」の回でしっかり書きます。こうした「ゆったりストップモーション」コースを作るのも、日本企業の人事に課された宿題でしょう(そして、そのコースに女性だけでなく、男性も平等に行くようになること!)。

 現時点では、日本型の「誰でも階段」を上り続けるしかありません。この坂道を、育児と家事をしながら上れ!と言われたら誰でもこと切れてしまいます。だから、「会社も譲歩」し、「旦那と分担」し、「外注も使」って、負担を減らしながら上っていくべき、と私は考えています。要は、電動アシスト付きなら坂道も走れるということです。

ワンオペ育児で考えたこと

 さて、ではどのような「電動アシスト」を設計すればよいでしょうか。ここから先は、私のイクメン体験から考えたことです。

 私的な話を少し書かせていただきますが(現在、離婚して単身なのですが)、私の元妻はバリバリキャリアウーマンで、育児中に仕事を続けながら夜間大学院に通って臨床心理士の資格を取ってしまうような人でした。なので、彼女が大学院に通う(いやその前の予備校時代)頃がイクメンの始まりとなります。ただそんなもの、本当に簡単な話でした。要は、妻が学校から帰ってくるのを待って入ればいいだけのことなのですから。正直、こんなもので女性のつらさなどわかりはしません。

 本当の修羅場は、第二子を妊娠した妻が、前置胎盤で切迫流産となり、妊娠後期と産後の計3カ月、入院することになったことから始まります。

 当時私は、リクルートキャリア社で、人事制度改革プロジェクトの企画リーダーをしておりました。全社員のアンケート分析や役員会提案書などを、それこそ徹夜で作らねばならないような時期です。その佳境のころに、ワンオペ育児が重なってしまいました。

 幸い、家と会社がそこそこ近かったので、夜7時直前まで働き、超特急で保育園まで迎えに行き、19時30分の閉園にギリギリセーフ。そして、家に帰りご飯を食べ、お風呂に入り、少しだけ一緒にポケモンやハム太郎のビデオを見て、そのあとは絵本を読んで寝かせる…。時間はすでに22時前近くになっているので、私も一寝入りし、明け方4時頃に起きて、7時過ぎまで仕事をし、それから朝食を作り、子供を起こす、という毎日でした。

 正直大変な日々でしたが、その時思ったのは、「ああ、女性はみんなこれをしなきゃならんのだな」ということ。だから私の雇用ジャーナリストとしての後半生、最大のテーマは、「女性のキャリア」となったのです。